錦織 世界21位とフルセット辛勝…25時28分決着

[ 2015年5月8日 05:30 ]

男子シングルス2回戦でフルセットを戦った錦織 (AP)

テニス・マドリード・オープン

(5月6日 スペイン・マドリード)
 男子シングルス2回戦が行われ、世界ランキング5位の第4シード、錦織圭(25=日清食品)が世界21位のダビド・ゴフィン(24=ベルギー)に6―2、4―6、6―4で競り勝った。第1シードのロジャー・フェデラー(33=スイス)が初戦で敗退する波乱の中、昨年準優勝の錦織は第2セットを失ったものの、最終セットは4―4からブレークに成功して押し切った。7日(日本時間8日未明)の3回戦で世界16位のロベルト・バウティスタ(27=スペイン)と対戦する。

 苦しみながらも、2日がかりの一戦をものにした。最後はゴフィンのショットが浮いてネットにかかり、1時間53分の激闘に終止符が打たれた。「こんなに遅いのは久しぶり。前の試合も長引いて、久しぶりに“待った一日”だった」。2回戦は第6試合に組まれ、試合開始は午後11時35分。スタンドも次第にまばらとなり、試合終了は日付が変わった午前1時28分。錦織も苦笑いするしかなかった。

 昨年のウィンブルドン、全米オープンと日をまたぐ試合は経験していたが、大会初戦ということもあって戸惑った。「攻めのテニスを貫けなかった。競り合いに気持ちで負けてしまった部分がある。集中しきれない部分が特に2セット目以降にあった」と反省が口をついた。

 立ち上がりは完璧だった。錦織と同様にスピードとストロークで勝負するゴフィンに対して先手を取った。第1セットは第3ゲームで得意のバックハンドでリターンエースを奪い、ネットプレーも積極的に仕掛けた。「一方的なテニスができた」とマイアミ・オープンでストレート勝ちした相手に付け入る隙を与えなかった。

 だが、相手が捨て身でペースを上げてきた第2セットは後手に回った。「攻めのタイミングが遅れ、相手もレベルが格段に違ったので、対応できていない部分があった」。最終セットは互いにブレークし合う滑り出し。4―4の第9ゲームでブレークに成功すると、相手のベースラインを突く深いショットを打ち込み第10ゲームをキープした。

 「どっちが勝ってもおかしくない試合だった。たまたま相手のミスもあったし、本当に少しの集中力の差だった」

 昨年はマスターズ大会の自己最高となる準優勝だった。今年もバルセロナ・オープンを制して大会に乗り込んできた。2大会連続の赤土でのタイトル獲得に向け「リカバリーが一番。テニスの状態は悪くない」と手応えはある。「プレーの質を上げて、もっと集中力を高めて、1セット目みたいに攻めるテニスを戻したい」。苦難のスタートを糧に、マスターズ大会初制覇へと突き進む。

 【錦織の日またぎの熱戦】

 ☆14年6月28~30日ウィンブルドン3回戦 ボレリ(イタリア)と対戦。雨で試合開始が遅れ、試合順とコートが振り替えとなり、28日午後6時16分に試合開始。午後9時11分、第5セットの3―3で日没順延。29日は休養日のため試合は行われず、30日午前11時45分開始の第1試合で再開。午後0時3分に試合が終わった。試合は3―6、6―3、4―6、7―6、6―4で錦織の勝利。3日がかりの一戦に「この2日間は苦しみがあったからうれしかった」

 ☆14年9月1~2日全米オープン4回戦 ラオニッチ(カナダ)と対戦。1日に始まった一戦は2日に日付をまたぎ、4時間19分の激戦となった。試合終了時刻は大会記録に並んで最も遅い午前2時26分。錦織が4―6、7―6、6―7、7―5、6―4で勝ち、日本男子92年ぶりの8強入りを決めた。試合後の会見は午前3時30分。「なかなか喜べないですね、決勝に行くまでは。勝てない相手はもういないと思う」

 ▽昨年のマドリード・オープン 第10シードの錦織は1回戦から準々決勝までストレート勝ちした。3回戦では第8シードのラオニッチ(カナダ)に勝利。準決勝は第5シードのフェレール(スペイン)と対戦し、7―6、5―7、6―3で2時間55分の熱戦を制した。決勝は第1シードのナダル(スペイン)と対戦。第1セットは奪ったが、腰の痛みを感じ、最終セットの途中で棄権した。スコアは6―2、4―6、0―3(棄権)で準優勝。ランキングを世界9位とし、日本男子初のトップ10入りを果たした。

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