笠りつ子“晋呉流”で3年ぶりV 助言生かし要所で絶妙アプローチ

[ 2015年3月30日 05:30 ]

最終日、プレーオフ3ホール目で優勝を決め、ガッツポーズする笠りつ子

女子ゴルフツアー アクサ・レディース最終日

(3月29日 宮崎県宮崎市 UMKカントリークラブ=6494ヤード、パー72)
 笠りつ子(27=京セラドキュメントソリューションズ)がツアーでは自身初のプレーオフを制し、12年ヤマハ・レディース以来の通算3勝目を挙げた。首位から出て最終ラウンドを3バーディーの69で回ると、通算7アンダーで並んだイ・ボミ(26=韓国)とプレーオフに突入。3ホール目で笠がバーディーを奪って決着をつけた。

 待ちわびた瞬間だった。プレーオフ3ホール目。左から3メートルのバーディーパットがカップに吸い込まれたのを見届けた笠は万歳して大喜び。徐々に実感がこみ上げ、思わず涙があふれた。3年ぶりに袖を通すチャンピオンブレザー。「気持ちいい。最高です」と心地よさそうに笑った。

 “晋呉先生”のアドバイスで開眼した。所属事務所が同じ飯島茜が男子プロの片山晋呉から助言を受けて先週、優勝。その縁で開幕前の24日に片山から「悩んでいた」というアプローチの指導を受けた。その内容はボールを近くに置く、ラフからのアプローチはフェースを開いて打つなどの基本的なもの。しかし、これがピタリとはまった。

 イ・ボミと通算7アンダーで並んで迎えた最終ラウンドの17番はバンカーからの第2打をグリーン手前のラフに落としたが、絶妙なアプローチを1メートルに寄せてパーセーブ。スコアを落とさずプレーオフに持ち込んだ。父でキャディーの清也さん(54)は「私もアプローチのことは言っていたが、なかなか親の言うことは聞かない。うまい方の言うことは聞くんですよ」と苦笑いを浮かべながら語った。

 12年以来勝ち星に恵まれず、昨年は「練習するのも嫌になった」。同郷・熊本の姉貴分、古閑美保に相談したところ「まだへたくそなんだから悩む必要ない」と言われ、気持ちが楽に。トンネルは暗く長かったが、これで憧れの先輩に良い報告ができる。

 今季は賞金女王やメジャー優勝といったタイトルよりも年間獲得賞金1億円突破を目指すという。「だって1億って凄いじゃないですか。1億円の束を見てみたい(笑い)」。27歳の明るい表情に苦悩の影はもうなかった。

続きを表示

この記事のフォト

2015年3月30日のニュース