“宮古の星”日本最南端プロ・川満陽香里が2差3位浮上

[ 2015年3月8日 05:30 ]

15番ホール、ティーショットを放つ川満陽香理

女子ゴルフツアーダイキン・オーキッド・レディース第2日

(3月7日 沖縄県南城市 琉球ゴルフ倶楽部=6529ヤード、パー72)
 14位から出た沖縄・宮古島出身の川満陽香理(27=GOLF5)が6バーディー、1ボギーの67をマークし、通算6アンダーの138で首位と2打差の3位に浮上。地元沖縄県勢としては04年大会の宮里藍以来の優勝を視界に捉えた。穴井詩(27=GOLF5)が通算8アンダーで首位。アマの新垣比菜(16=沖縄・興南高1年)は75と崩れて通算1オーバーの34位に後退した。

 ツアー未勝利の27歳、川満が初優勝に近づいた。親戚ら20人が「川満陽香理」と書かれた横断幕を持って応援に駆けつけた中、期待に応えて自己ベストに並ぶ67をマーク。「スコアのことは考えず、一打一打の内容だけを考えていたことが良かった」と振り返った。

 前日は強風の影響で「力んでしまった」とショットにブレが生じた。ホールアウト後に修正し、「気持ちよくスイングすることを心掛けたら、方向性が良くなった」とミドルアイアンがさえ渡った。8番パー3は8Iでピンの1ヤード手前に落とすと、ボールはカップをかすめながら奥30センチで止まった。13番パー3でも8Iでピン手前10センチにつけてバーディー。もう少しでホールインワンというスーパーショットを1日に2度も披露した。

 プロ5年目だが、賞金シードを獲得したことはない。今季はツアーの最終予選会(QT)16位の資格でほぼフル参戦できる見通し。「一年を通して戦うのは初めてのこと」になるため昨年12月の最終QT後から器具を使わない自重トレで体幹を強化。年明けからは米フロリダ州などでダンベルを使った筋力トレや走り込みで体をいじめた。「去年とは2日目が終わってからの疲れが違う」と効果を実感している。

 宮里藍ら沖縄本島出身のプロゴルファーは多いが、川満は本島から南西に約300キロの宮古島出身。両親とも教員で、高校の国語教師である母・節子さん(54)の影響で読書が趣味。最近のお気に入りは江戸時代の女性料理人の奮闘を描いた高田郁さんの時代小説「みをつくし料理帖」。話題の漫画も読みあさりリフレッシュしている。

 最終日を最終組で回るのは初めての経験で「絶対に緊張すると思う」と苦笑い。それでも、日本最南端の現役女子プロは「自分の活躍で宮古島が有名になればうれしい」と故郷に吉報を届ける。

 ◆川満 陽香理(かわみつ・ひかり)1987年(昭62)5月3日、沖縄県宮古島市出身の27歳。沖縄本島の昭和薬大付高から立命大に進み07年日本女子学生優勝。11年に4度目の挑戦でプロテスト合格。レギュラーツアーでの最高成績は昨年のほけんの窓口レディースの15位。ステップアップツアーでは11年のANAプリンセスカップで優勝している。1メートル63、55キロ。

 ▽宮古島 沖縄本島の南西約300キロに位置する。高温多湿な亜熱帯海洋性気候に属し年間の平均気温は23度。05年に伊良部島と下地島も含めた5市町村が合併して宮古島市が誕生した。人口は約5万2000人。ビーチリゾートに人気があるほか、トライアスロン大会やプロ野球のキャンプを誘致した効果もあり年間35万人以上の観光客が訪れる。サトウキビ、タバコ、マンゴーなどを主要作物とする農業や漁業も盛んだ。

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2015年3月8日のニュース