葛西 日本記録240・5メートル!「やっと、いった」

[ 2015年2月17日 05:30 ]

240・5メートリを飛び5位に入ってガッツポーズの葛西(AP)

ノルディックスキー・ジャンプ男子個人第24戦

(2月15日 ルウェー・ビケルスン= HS225メートル、K点200メートル)
 葛西紀明(42=土屋ホーム)は2回目に日本最長記録の240・5メートルをマークした。1回目は184・0メートルの13位と出遅れたが、2回目で巻き返し、合計347・0点で5位となった。セベリン・フロイント(26=ドイツ)が237・5メートル、245メートルの436・7点で優勝、今季5勝目で通算14勝とした。1回目に251・5メートルの世界最長記録を出したアンデシュ・ファンネメル(23=ノルウェー)が2位だった。

 レジェンドが大ジャンプを見せた。葛西の2回目の飛躍。飛び出した瞬間から高さがあった。そのまま向かい風にうまく乗り、K点付近で「急にギューンと伸びた」と自ら振り返った。HSをはるかに越え、伊東大貴(29=雪印メグミルク)の持っていた日本記録240メートルを0・5メートル上回った。2本合計で5位に終わったものの、風が安定せずに荒れた試合の最後に意地を見せ「240メートルは超えたかった。やっと、いった」と満足そうな表情を浮かべた。

 不運から挽回した。1回目はファンネメルの世界最長飛躍の直後の試技で、葛西の順番からスタート位置が下がった。しかも風の条件による待機時間が長くなり「集中力が続かなかった」という。踏み切りでタイミングが遅れ、飛行曲線が低くなった。後半の風が弱かったこともあり、浮力を感じられないままK点の16メートル手前に落ちた。

 だが「腹立たしさをぶつけた」という2回目は圧巻の飛躍で観客を沸かせた。2回目だけなら2位で通算順位を8つ上げた。今季はW杯最終戦(3月、スロベニア・プラニツァ)で「奥さんに世界記録を見せたい」と野望を語るほど自信を持っているフライングヒル。13日の公式練習では自己最長を10メートル更新する235メートルをマークしていたが、さらに5・5メートルも記録を伸ばした。

 2試合連続の表彰台には届かなかったが「嫌な感じで終わらなくて良かった」と安ど。18日に始まる世界選手権前最後のW杯で手応えを得た。世界選手権の個人戦では03年バルディフィエメ大会のラージヒル、ノーマルヒルでの銅メダルが最高。「次につながるジャンプだった」。昨年のソチ五輪はラージヒルで銀メダルを獲得し、ジャンプ最年長メダリストとなった。42歳が初の世界一を狙う。

 ▽フライングヒル ヒルサイズが185メートル以上のジャンプ台で、K点は145~185メートル。現在、クルム(オーストリア)、ビケスンド(ノルウェー)、オーベストドルフ(ドイツ)、ハラコフ(チェコ)、プラニツァ(スロベニア)の5台がある。女子では03年にダニエラ・イラシュコが女子選手として初めて200メートル超えとなる200メートルの最長を記録した。

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