錦織 大会史上初3連覇!「ここに引っ越したいぐらい」

[ 2015年2月17日 05:30 ]

メンフィスオープンで大会3連覇を達成し、ギター形のトロフィーを手にする錦織(AP)

男子テニスメンフィス・オープン・シングルス決勝 錦織6―4、6―4アンダーソン

(2月15日 米テネシー州メンフィス)
 世界ランキング5位で第1シードの錦織圭(25=日清食品)が自身初、そして前身の全米室内選手権から大会史上初めてとなる3連覇を達成した。第2シードのケビン・アンダーソン(28=南アフリカ)を6―4、6―4のストレートで下し、今季初優勝。通算8度目のツアー大会優勝を飾った。賞金10万6565ドル(約1270万円)を手にし、次戦は23日開幕のメキシコ・オープンに出場する。

 決勝戦になってようやく錦織のショータイムが幕を開けた。「ジャックナイフ」と呼ばれるバックハンドのドロップショットやちぎれんばかりに体を伸ばしてのハーフボレー。躍動感にあふれた動きの数々に「今週では一番自信を持ちながらプレーができた」と会心の勝利で3連覇を決めた。

 「今回はもがきながらの優勝だったので、3連覇の中では最も充実している。やりたいテニスができず、ランキングのことも考えたりしてもやもやがあった」

 準決勝までは苦戦の連続だった。予選上がりの選手にまで苦しめられ、試合時間は平均2時間16分。逆転勝ちの綱渡りが続いた。しかし、この日はストロークもフットワークも見違えるようによくなり、第1セットの第1ゲームでいきなり ブレークに成功した。

 準決勝のクエリー戦ではエース27本を浴びたものの、同じくビッグサーバーのアンダーソンをエース12本に抑え込んだ。要所では持ち前のリターン力でリターンエースを見舞った。第2セットも第5ゲームで先にブレークすると、第2シードを1時間16分で退けた。

 ランキングの重圧を感じつつ、玉砕覚悟で臨んでくる相手を迎え撃つ。それもまたトップ選手として乗り越えるべき壁。苦戦が続く中で、マイケル・チャン・コーチからは「プレーが悪くても勝ち方を見いだす必要がある。数十試合、数百試合も戦っていればこういう時もある」と言われたという。ジミー・コナーズ(米国)らが歴代優勝者に名を連ねる大会で、史上初の3連覇。コート上でのインタビューでは「ここに引っ越したいぐらい」と上機嫌で答えた。

 今大会はツアーの中で最も格下のランクで、世界ランキングのポイントは優勝者でも250点。4大大会のベスト8(360点)より少ない。それでも勝ちきっていくことが、トッププレーヤーとしての自信につながっていく。昨季と同じくシーズン3戦目での初勝利。錦織のショータイムはここからがスタートだ。

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