松岡修造の目 ビッグサーバー撃破はウィンブルドン制覇につながる

[ 2015年2月17日 08:25 ]

松岡修造氏

男子テニスメンフィス・オープン・シングルス決勝 錦織6―4、6―4アンダーソン

(2月15日 米テネシー州メンフィス)
 ◆松岡修造の目◆

 このコートは圭に合っているのか。3連覇したとはいえ、それはかなり疑問だ。現役時代の僕はサーブが得意な選手だったので、メンフィスは戦いやすかった。サーブだけでも勝てるから89年には3回戦まで勝ち進めた。つまり球足が速く、ビッグサーバーに有利に働くサーフェス。今回も圭以外は名だたるビッグサーバーがずらりとそろっていた。

 しかも今大会の圭はあまり調子が良くなかった。最悪と言ってもいいぐらいだ。決勝では本来の7割程度までプレーレベルが戻ってきたが、それまでは5割ぐらいの出来。今後を見据えてあえて大会中にもトレーニングをしたからこそ、とにかく体が重そうだった。そんな最悪な状態でも優勝できたことは、今後の大きな自信になるだろう。

 そこには昨年の楽天ジャパン・オープンに似たものも感じる。楽天ではフィジカル的に厳しい中で初めての2週連続優勝を達成した。その時に「限界を超えられた」と語っていたが、今回も自分の殻を破った。圭自身、喜びよりも驚きを感じているかもしれない。

 そしてこの3連覇はウィンブルドン制覇にも絶対につながる。芝コートに似た球足の速いサーフェスで、これだけビッグサーバーに勝てた。圭はまだそう捉えてないかもしれないが、メンフィスで勝てる人がウィンブルドンで勝てないはずはない。(スポーツキャスター)

続きを表示

この記事のフォト

2015年2月17日のニュース