羽生 公式練習で4回転成功!20代初舞台へ「僕らしい演技を」

[ 2014年12月11日 05:30 ]

フィギュアGPファイナルに向けてバルセロナで調整を行う羽生

 大人になったプリンスが偉業に挑む。フィギュアスケート男子のソチ五輪金メダリスト・羽生結弦(ゆづる、20=ANA)が9日、グランプリ(GP)ファイナル(11日開幕)の開催地、スペイン・バルセロナに到着。10日の公式練習ではショートプログラムの音楽に合わせて4回転ジャンプを成功した。GP第3戦の中国杯で負傷し、第6戦のNHK杯は4位に終わったが、今大会へハードな練習を消化。7日に20歳の誕生日を迎えた羽生が、日本男子初のファイナル連覇を狙う。

 五輪金メダリスト、昨年のファイナル覇者というプライドは胸に秘めてリンクに立つ。羽生のテーマは「防衛」よりも、「挑戦」だ。

 バルセロナに到着すると「チャレンジャーとして、自分ができることをやりたい。今の実力を試合で試したい」と力を込めた。

 11月8日の中国杯男子フリー前の6分間練習で、中国選手と正面衝突。頭部、顎から流血しながら、止血後に強行出場して2位に入った。精密検査の結果、5カ所の負傷で全治2~3週間。28、29日のNHK杯は調整不足で臨み、まさかの4位に終わった。6人中6番目のギリギリでファイナル切符をつかんだが、「夢の中でうなされた」と言うほどの悔しさを味わった。

 NHK杯からファイナルへ調整期間は短かったものの、拠点のカナダ・トロントに戻らず国内で汗を流してきた。「いつも以上に集中し、ハードに自分を追い込む練習をかなりしてきた」。NHK杯後にトロントに戻ったオーサー・コーチからは、詳細な練習メニューを渡されていた。同コーチが「内容を見たら、彼(羽生)は嫌がると思う」と言うほど負荷の高いトレーニングが、完全復活へ背中を押す。

 日本出発前の7日には20歳の誕生日を迎えた。「楽しみ、わくわく感があったが、実際になってみると何も変わらなかった」と苦笑いし、「年は関係なく、僕らしい演技をしたい」と平常心を強調する。昨年はファイナル制覇の翌日に19歳になり、ソチ五輪、世界選手権と黄金ロードを歩み続けた。日本男子初のファイナル連覇から、羽生の輝く20代が始まる。

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