まげ初稽古…逸城“関脇仕様”立ち合い!速さ強化で上手取る

[ 2014年10月29日 05:30 ]

福岡入りして初の稽古で師匠の湊親方(左)の助言を受ける逸ノ城

 大相撲の九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)で昭和以降最速の所要5場所で新関脇に昇進した逸ノ城(21=湊部屋)が28日、福岡県古賀市の湊部屋宿舎で稽古を開始した。前日にちょんまげを結ったばかりの“モンゴルの怪物”。師匠の湊親方(元幕内・湊富士)から課題の立ち合いについて指導を受けるなど、新たな技術習得に向けて動きだした。

 力士の象徴である“ちょんまげ”を結って初めて下りる稽古場。四股を踏んだり、ダンベルを使ったトレーニングを行って汗を流した逸ノ城は「ざんばらとは違ってちょっと変な感じ」と違和感を口にした。日常生活では「ドアの上にまげが当たったりした…」と明かしたが、まげ姿については周囲からも「似合ってる」の声。新関脇として臨む九州場所まで2週間を切り、心身ともに引き締まった様子だった。

 稽古中には師匠の湊親方から「足を開きすぎないように。もっと(両足を)内に入れた方がいい」と“関脇仕様”の立ち合いを教えられた。その心は、横綱大関に対しても押し込まれないように素早く立ち、得意の右四つの形をつくるため。初の横綱大関総当たりとなる場所に向けての課題として師匠は「立ち合いを速くすること。速さが出れば上手も取りやすくなる」とスピード強化の必要性を説く。先場所は13勝を挙げたが、鶴竜と稀勢の里には変化で勝利し、白鵬にも立ち合い負け。伸びしろがあるからこそ師匠としても弟子の技術向上に余念がない。

 当初は29日から佐渡ケ嶽部屋に出稽古する予定だったが、2日間の延期も決定した。帯状疱疹(ほうしん)で24日まで約1週間入院したため「ちょっと重く感じる」と逸ノ城。ひとまずはマイペースで調整する。

 午後には力士会に出席し、白鵬と日馬富士からコンパチを受けた。コンパチとは、兄弟子や親方にまげを結ったことを報告し、その際にでこぴんを受けて油銭(小遣い)をもらう相撲界の風習。「凄く痛かった…」と苦悶(くもん)の表情を浮かべた怪物だが、本場所では上位陣を痛い目に遭わせるつもりでいる。

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