沙保里 188連勝V4もヒヤリ 1回戦で5点差付けられた

[ 2014年9月29日 05:30 ]

レスリング女子55キロ級で、モンゴルのサンデフ(右)を破り4連覇を果たした吉田

仁川アジア大会第10日

(9月28日)
 女子レスリング55キロ級で吉田沙保里(31=ALSOK)が日本女子、そしてレスリング競技初の4連覇を成し遂げた。さらにこえで通算188連勝。1回戦では中国の選手に5点のビハインドを背負いながら試合終盤に辛くも逆転勝ち。決勝ではモンゴルの選手をテクニカルフォールで下した。今月11日に53キロ級で世界選手権を制してからの突貫調整も女王が貫禄を示した。75キロ級の浜口京子(36=ジャパンビバレッジ)は5位に終わった。

 側転からのバック宙でマットの上を舞った。世界選手権でも見せなかった勝利のパフォーマンスが、吉田の喜びの大きさを物語っていた。「4連覇できてホッとしている。リオ五輪につながる大会になった」。苦しい連戦を乗り越えた4連覇でまた一回り強くなった。

 2回戦以降は完勝だったが、そこに至る道のりは険しかった。今大会は旧4階級での実施で、世界選手権を制した53キロ級ではなく55キロ級。「体重を増やさないとと思うほど増えなくて苦しかった」と前日の計量でも53・8キロ。短期間での減量と増量によって世界選手権後には体調を崩した。体重差も残したままで、最大のヤマ場は1回戦で訪れた。3月のW杯で圧倒した鍾雪純(中国)に「油断もあったし、相手に合わせすぎた」と大苦戦。序盤に小内刈りを浴びてフォール寸前に追い込まれ、何とか抜け出した後も一時は5点差。辛くも逆転したのは残り50秒だった。それでも五輪3連覇を果たした同階級最後の試合で有終のV。「リオに向けて53キロ級の負けない自分をつくっていきたい」と敵なしの最強女王はまた次なる戦いを見据えた。

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2014年9月29日のニュース