遠藤 金星チャンス!初日は首痛で稽古切り上げた日馬富士

[ 2014年9月13日 05:30 ]

新三役を目指す西前頭筆頭の遠藤

 日本相撲協会は12日、東京・両国国技館で大相撲秋場所(14日初日・国技館)の取組編成会議を開き、初日、2日目の取組を決め、西前頭筆頭の遠藤(23=追手風部屋)は初日に日馬富士、2日目に白鵬と横綱と連戦することなった。十両以上では左目網膜剥離の手術を受けた関脇・妙義龍、幕内・豊真将と東龍、十両・舛ノ山が初日から休場。関取が初日から4人休むのは、野球賭博関与の謹慎などで11人が休んだ10年名古屋場所を除けば、04年夏場所以来で10年ぶりとなった。

 新三役を目指す西前頭筆頭の遠藤に追い風が吹いた。初日に日馬富士、2日目に白鵬といきなり横綱との連戦が組まれたが、日馬富士に首痛が発覚した。伊勢ケ浜部屋の関係者によれば、ここ数日の稽古で首を痛めたという。この日の朝稽古でも横綱は若い衆に胸を出した後、東前頭筆頭の照ノ富士と申し合いを行ったものの、わずか2番取ったところで首を気にし始めた。次の一番で右四つに組んで寄り切ったところで苦痛を感じているような表情を浮かべ、首を押さえて稽古を切り上げてしまった。その後は土俵の外で付け人がマッサージ。自宅に戻るときには「頑張ります」と言葉少なだった。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は「体調が良くないし、思ったより稽古ができていない」と渋い表情で話した。立ち合いのスピードが身上の日馬富士にとって首痛は大きな痛手となりそうだ。

 遠藤にとっては大きなチャンスとなる。今年の春場所はすくい投げ、夏場所は突き落としに立ち合いで完敗した横綱が、ケガで本来の立ち合いができないとなれば、付け入る隙は十分ある。夏場所4日目の鶴竜戦以来となる2個目の金星とともに、新三役を狙うために欠かせないスタートダッシュへの期待が高まる。

 取組が決まったこの日は場所前最後の休みで休養に充てた遠藤だが、8日からは春日野部屋に出稽古を行い、手応えをつかんだ。元三役の栃ノ心や碧山と連日15番以上の申し合いをこなした。10日には2日目の対戦相手となった横綱・白鵬に6戦全敗だったものの「少しずつ踏み込めるようになってきた」と上位戦への立ち合いに対応できつつある。横綱戦はここまで1勝4敗と負け越しているが、上位陣に再び挑戦する23歳の若武者が秋場所の台風の目となる。

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