小平 宣戦布告V 3差逆転!!米挑戦に弾み2勝目

[ 2014年8月4日 05:30 ]

小平は優勝カップを手に笑顔でポーズ

男子ゴルフツアーダンロップ・スリクソン福島オープン最終日

(8月3日 福島県西白河郡 グランディ那須白河ゴルフクラブ=6961ヤード、パー72)
 3打差の3位から出た小平智(24=Admiral)が4バーディー、ノーボギーの68で回り、通算16アンダーで逆転優勝を飾った。今季は序盤戦で2度の3試合連続予選落ちを経験するなど落ち込んだが昨年6月以来のツアー通算2勝目で今秋挑戦予定の米下部ツアー予選会へ弾みをつけた。首位から出た永野竜太郎(26=フリー)は73と崩れ、稲森佑貴(19=グリーンゴルフ練習場)、木下稜介(23=フリー)ら5人が2打差の2位に終わった。
【最終R成績】

 1年ぶりの2勝目は鮮やかな逆転劇だった。1つ後ろの最終組を待ち、待望の瞬間が訪れると小平の元に駆け寄ったのは薗田。同じ24歳で先に2勝を挙げているライバルから祝福を受け「早く薗田と同じように2勝をして追いつきたかった。素直にうれしい」と真っ黒に日焼けした顔をほころばせた。

 生命線の1Wで首位との3打差をひっくり返した。1番でバーディー発進すると、4番パー5ではティーショットで300ヤード超をかっ飛ばし楽々2オンでバーディー。「自信を持って振れた」というショットに加え、8番で6メートルのバーディーパットをねじ込むなどパットも好調。後半に入り、連続ボギーで崩れた永野に代わり首位に立つと、17番では「これを入れないとまずいな」という2・5メートルのパーパットをねじ込む勝負強さを見せた。

 勝って一層、負けず嫌いの性格に火が付いた。優勝スピーチでは喜びに浸ることなく「海外にも行きたいと思っています。(石川)遼や松山に負けないよう頑張るので応援してください」と世界で戦う2歳年下に宣戦布告した。

 昨年、日本ゴルフツアー選手権を優勝して5年シードを獲得した時から決めていた米ツアーへの参戦。ただ、石川や松山らと違い、予選会を突破しても米下部ツアーからのスタートとなる。日本でも下部ツアーからはい上がってきた雑草魂の持ち主はそれも覚悟の上。「遼や松山みたいに一発でガンガンじゃなく、こつこつやりたい」と独自ルートで世界を見据える。

 9試合中6試合の予選落ちを乗り越えてつかんだ優勝。大会初代王者の栄誉も手にした。「1人目は気持ちいい」と一瞬、喜んだ後に「精神面も小技もまだまだ。それを磨かないと世界に通用しない」と自身を戒めた。24歳の視線はずっと先にある。

 ◆小平 智(こだいら・さとし)1989年(平元)9月11日、東京都生まれの24歳。元レッスンプロの父・健一さんの影響で中学で本格的にゴルフを始める。日大時代の10年、下部ツアーの鳩山カントリークラブ・GMAチャレンジでアマチュアとして優勝。大学を2年で中退しプロに転向した。昨年の日本ツアー選手権でプロ初優勝。得意クラブはアイアン全般。1メートル72、70キロ。

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