13歳ペア美宇&美誠 世界のお姉さん撃破し史上最年少V!

[ 2014年4月1日 05:30 ]

卓球のドイツ・オープンの女子ダブルスで優勝した平野美宇(左)、伊藤美誠ペア(日本卓球協会提供)

ドイツ・オープン

(3月30日 マクデブルク)
 女子ダブルス決勝が行われ、ともに13歳の平野美宇(エリートアカデミー)伊藤美誠(みま、スターツ)組がポーランドのペアを3―0で破り、ワールドツアー制覇を果たした。国際卓球連盟によると、13歳ペアのタイトルは前身のプロツアーを含むワールドツアー史上最年少で、13歳160日の伊藤は個人としても最年少記録を更新した。男子シングルスの水谷隼(24=DIOジャパン)は決勝でドミトリー・オフチャロフ(ドイツ)に3―4で敗れた。

 中学生ペアが快挙を成し遂げた。13歳の平野、伊藤組がワールドツアー史上最年少優勝。決勝は10歳以上年上のお姉さんペアが相手だったが、伊藤の巧みなナックルショートやフォアスマッシュ、平野の力強い両ハンドドライブなどで撃破した。平野は「信じられない」と笑みを浮かべ、伊藤は「4歳の時から一緒に練習していた。厳しい練習の成果」と頬を緩めた。13歳160日の伊藤は、02年にオーストリア・オープン女子ダブルスを13歳224日で制した郭躍(中国)を抜き、個人としても最年少優勝。13歳350日の平野は3番目の記録となった。

 ともに10歳で出場した3年前の全日本選手権でシングルス1回戦を突破し脚光を浴びた。それまでは福原愛(25=ANA)の11歳が最年少勝利記録だった。“愛ちゃん超え”を果たした2人は、昨年2月のカタール・オープンで女子ダブルス2位に入るなど、海外でも経験を積んできた。

 2人の目標は6年後の東京五輪での金メダル。小学6年だった12年ロンドン五輪は現地で五輪の雰囲気を味わった。中学進学とともに、平野は山梨から東京の日本オリンピック委員会(JOC)が有望な若手を寄宿制で強化するエリートアカデミー、伊藤は静岡から大阪の関西卓球アカデミーに拠点を移した。その成果が形となった。

 13歳での快挙に夢は膨らむばかり。伊藤は「大きなタイトルを最年少で獲れてうれしい。夢は20年東京五輪に出ることだけど、16年のリオデジャネイロ五輪にもトライしたい」と意気込んだ。平野は「(優勝賞金)5000ドル(約51万5000円)をもらえたし、信じられない。両親や友達、コーチにプレゼントを買いたい」と喜んだ。東京五輪の主役たちが、早くも世界の舞台で輝いた。
 
 ◆最年少アラカルト

 ☆ゴルフ 世界主要ツアーでは、12年豪州女子ツアーのNSWオープンで、リディア・コ(ニュージーランド)が14歳280日で優勝。

 ☆バドミントン 昨年のヨネックス・オープン・ジャパンで山口茜が16歳108日で優勝。五輪、世界選手権に次ぐ格付けで年間12戦行われるスーパーシリーズの最年少記録に。

 ☆夏季五輪 女子金メダルは36年ベルリン大会の飛び込みでマージョリー・ゲストリングの13歳268日。男子は32年ロサンゼルス大会の競泳1500メートル自由形で北村久寿雄が14歳309日。

 ☆冬季五輪 団体種目の金メダルは94年リレハンメル大会のスピードスケート・ショートトラック女子3000メートルリレーで優勝した韓国の金(キム)潤(ユン)美(ミ)の13歳85日。女子個人種目では98年長野大会のフィギュアスケート女子シングルのタラ・リピンスキー(米国)で15歳255日。

 ◆平野 美宇(ひらの・みう)2000年(平12)4月14日、静岡県生まれの13歳。2歳で山梨県中央市に転居。筑波大卓球部主将だった母・真理子さんがコーチを務める卓球教室で、3歳から競技を始める。小学生で全日本選手権一般の部女子シングルス通算6勝の最多勝利記録を持つ。

 ◆伊藤 美誠(いとう・みま)2000年(平12)10月21日、静岡県生まれの13歳。2歳で卓球を始め、高校総体出場経験のある母・美乃りさんがコーチを務めた。現在は大阪の関西卓球アカデミーで練習を積む。全日本選手権一般の部女子シングルスで、10歳2カ月の最年少勝利記録を持つ。

続きを表示

2014年4月1日のニュース