南ア義足選手公判、4月前半まで延長へ 連日の生々しい証言

[ 2014年3月16日 14:27 ]

 恋人の女性=当時(29)=を昨年2月に自宅で射殺したとして、殺人罪などに問われた南アフリカの両脚義足の五輪ランナー、オスカー・ピストリウス被告(27)=保釈中=の公判が、首都プレトリアの高裁で連日開かれている。事件をめぐる生々しい証言が続く一方、多数の証人尋問が今後も控えており、審理期間は大きく延長される見通しだ。

 被告は女性を侵入者と間違えて誤射したと無罪を主張している。南アからの報道によると、今月3日に始まった公判では、被告宅近隣の住民複数が検察側証人として出廷し、事件直前に言い争いや女性の叫び声を聞いたと証言した。

 被告宅がある住宅地の警備員は、発砲音がした直後に被告に電話し「何も問題はない」と告げられたと述べた。そのすぐ後の電話では、被告は泣いて取り乱していたという。

 また、事件後に女性の遺体を調べた病理学者が、頭など3カ所の銃弾による傷の詳細を証言した際、被告が廷内で嘔吐する一幕もあった。

 一方、被告の銃を事件後に捜査官が素手で触るなど、現場の証拠保全に不備があったことも明らかになった。事件を担当した地元警察の元幹部は、事件直後に警察が被告宅を捜査中、被告の高級腕時計が何者かに盗まれたと明かした。

 審理は当初、土日を除き今月3日から20日まで行われる予定だったが、4月前半まで続く見込みだ。判決が出るのはその後とみられている。(共同)

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2014年3月16日のニュース