錦織 “大きな壁”乗り越え大会連覇!ツアー4勝目

[ 2014年2月18日 05:30 ]

全米室内選手権で2連覇を達成し、表彰式で笑顔を見せる錦織

全米室内選手権

(2月16日 米テネシー州メンフィス)
 世界ランキング16位で第1シードの錦織圭(24=日清食品)が、男子シングルス決勝で同80位のイボ・カロビッチ(34=クロアチア)を6―4、7―6で下し、大会2連覇とともにツアー4勝目を挙げた。錦織のツアー勝利は、昨年の同大会以来1年ぶり。国別対抗戦デ杯ワールドグループ1回戦で2日にカナダを破り、日本を初の8強に導いたエースが、新たな栄冠を手にした。

 前回王者としての重圧を乗り越え、錦織が頂点に立った。我慢比べとなった第2セット。6―6からのタイブレークで相手サーブをしっかり返してポイントを奪う。その後は一気に攻めて7―0で圧倒。ラケットを放り投げて両手を突き上げた昨年と違い、控えめに歓喜の瞬間を迎えたところに王者の風格が漂った。

 「連覇できたのは素晴らしいこと。なかなかブレークするチャンスがなかったけど落ち着いて最後のタイブレークに集中した。本当にうれしい」

 カロビッチはノーシードながら、2メートル8から振り下ろす弾丸サーブを得意とする大砲。ファーストサーブ歴代最速の251キロ、年間サービスエース歴代2位の1318本を記録した逸話を持つ。今大会も絶好調で錦織自身も「なかなかチャンスをくれない選手で紙一重」と振り返ったほどだ。

 そんな大きな壁でも乗り越える力が今の錦織にはある。リターンに集中して第1セット第3ゲームをブレーク。このセットを6―4で奪い、第2セットは接戦から最後は格の違いを見せた。08年8月に世界ランク14位に入ったこともある難敵を「彼のリターンは本当に速かった」と嘆かせた。

 昨年12月からかつての名選手マイケル・チャン氏(米国)の指導を受けている。好機ではネットのそばまで前進する積極プレーを求められているという。今大会もチャンスで大胆に仕掛けた。詳細を明かさなかった錦織だが、技術面でも「(チャン氏に)変えられた部分もたくさんある」と話し「少しずつ良くなってきている」と強調した。

 連覇で「自信を得た。調子を崩さずにやっていきたい」と錦織。目標の世界トップ10入りは、意外に近いかもしれない。

 ▽錦織のデ杯での活躍 初日のシングルスでは世界ランキング135位(当時)のポランスキーにストレート勝ち。第2日のダブルスは試合当日にメンバー変更で出場。内山(北日本物産)と組んでダンセビッチ、ネスター組を破って通算2勝1敗で王手をかけると、最終日のシングルスでも同119位のダンセビッチを下し、日本は81年に始まった現行のデ杯ワールドグループで初の8強入り。

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2014年2月18日のニュース