美姫 五輪へ第一関門突破!フリーも最低技術点クリア

[ 2013年9月29日 06:00 ]

約2年ぶりの復帰戦となったネーベルホルン杯で2位となり、表彰式で笑顔を見せる安藤美姫

フィギュアスケートネーベルホルン杯

 夢舞台へ第一関門を突破した。4月の女児出産を経てソチ五輪を目指す安藤美姫(25=新横浜プリンスク)は、27日の女子フリーで103・07点をマークし、合計162・86点で2位。ジャンプなどの技術点はフリー48・07点で、国際スケート連盟(ISU)が定める五輪出場条件の最低技術点(36点)を、ショートプログラム(SP)に続いてクリアした。男子は、フリーで織田信成(26=関大大学院)が自己ベストの175・64点で1位となり、合計262・98点で2連覇した。

 母になった元女王が集大成の舞台へ一歩前進した。14歳のラディオノワには25・35点差で完敗した安藤だが、フリーでも五輪出場に必要な最低技術点をクリア。10年前、4回転サルコーを決めたシーズンに使用していた「火の鳥」に乗って演技を終えると、大きく息を吐いた。「絶対に(最低技術点を)クリアして日本に帰ろうと思っていた。気持ちが楽になった」と胸の内を明かした。

 生後半年にも満たない愛娘を現地に連れて行った、3季ぶりの復帰戦。「体力が持たないことは分かっていた」と言うフリーは3回転サルコーが2回転になりスピン、ステップでレベル1と2しか獲得できず。「練習不足が目に見えて分かってしまった試合。恥ずかしい演技だった」。出産後の初練習で「スケート靴が重たかった」と感じた状態から、まずはジャンプを取り戻すことに専念した。今大会は転倒はなかったが、プログラムの完成度はまだ低い。SPでラディオノワを上回っていた5項目の演技点も、フリーでは下回った。この日は全体で4位の103・07点で、2度目の世界選手権制覇となった11年の130・21点には、遠く及ばなかった。

 今大会はトップクラスのスケーターの参加が少ない国際B級大会で、GPシリーズなどに比べ採点がやや甘い傾向があると言われている。五輪出場を争う浅田は昨季の国際大会(B級なし)の合計平均が190・52点、鈴木は同182・57点、村上は同176・29点。安藤は162・86点でまだ差があるが、「練習を重ねていけば、またトップの選手たちと戦えるようになる」と自信を見せた。

 今後は高難度の3回転ルッツを、全盛期のようにもう1つ入れる予定。10月の関東選手権、11月の東日本選手権を経て、代表最終選考会となる12月の全日本選手権を目指す。「自己ベストを(SP、フリーの)両方で超えたい。自分への挑戦です」。夢舞台を見据える母のチャレンジは、まだまだ終わらない。

 ▽ソチ五輪への道 日本女子の出場枠は3。12月の全日本選手権(12月21~23日、さいたまスーパーアリーナ)出場と、全日本までにISU公認大会で最低技術点を獲得していることが条件になる。(1)全日本優勝者は代表に決定。(2)2人目は全日本2、3位の選手とGPファイナルの日本人最上位メダリストの中から選考。(3)3人目は(2)から漏れた選手と全日本終了時点での世界ランク日本人上位3人、ISU大会のシーズン最高スコア日本人上位3人から選考。

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2013年9月29日のニュース