松山基金 バーディー1万、イーグル2万を震災復興に

[ 2013年9月29日 06:00 ]

渡米前の記者会見で、復興支援の基金設立を発表する男子ゴルフの松山英樹

 男子ゴルフの世界選抜と米国選抜との団体対抗戦、プレジデンツ・カップ(10月3日開幕、米オハイオ州ミュアフィールドビレッジGC)に出場する松山英樹(21=東北福祉大)が28日、成田空港で記者会見を行い、東日本大震災復興のための基金を設立することを明かした。松山は11月上旬まで5試合を戦う今遠征から基金をスタート。東北への思いを自らの力に変える。

 怪物が東北のために一肌脱ぐ。松山は東日本大震災復興支援のための基金を設立し、国内外で出場する試合で1バーディー1万円、1イーグル2万円の資金を積み立てる計画を明かした。「貢献できることはうれしい」とプレジデンツ・カップからスタートさせる。

 きっかけはアマ時代に出場した11年4月のマスターズだった。3月に大震災が起きたばかりで、被災地・仙台にある東北福祉大の学生として「出場は難しいだろう」と悩んだ。しかし、メールやファクスで寄せられた被災地からの激励の言葉に背中を押されて渡米。初出場ながら27位に食い込み、ベストアマを獲得した。当時を振り返り「いろいろな方に支えられた。震災を忘れてはならないし、少しでも力になりたかった」と訴えた。今後は米国が主戦場となるが、東北を代表して戦っていく気持ちを示した。

 今季、日米両ツアーで奪ったバーディーは249。イーグルは6を数える。“松山ファンド”で換算すると261万円が復興支援への積立金となる。これまでも石川遼が11年の賞金を全額寄付する意向を示し、また、東北高出身の宮里藍は自身で義援金を送ったほか、上田、宮里美らとバッジをつくり義援金を呼びかける活動も行った。ほかにも復興支援活動を行ったプロゴルファーは多いが、転向から半年がたちプロの世界に慣れた松山も、満を持して支援を行うことになる。

 遠征初戦となるプレジデンツ・カップでは世界選抜の一員としてウッズら米国の強豪と戦い、翌週からは米ツアーの新シーズンに臨む。「早く(来季の)シードを確定させて、優勝を目指して頑張りたい」。21歳の怪物の躍進が第二の故郷を明るく照らし出す。

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2013年9月29日のニュース