白鵬独走!単独最多26度目ストレート給金、荒れない春場所に

[ 2013年3月18日 06:00 ]

白鵬は上手投げで勢に勝ち懸賞金を両手で受け取る

大相撲春場所8日目

(3月17日 ボディメーカーコロシアム)
 24度目の優勝を狙う横綱・白鵬が初顔の勢を上手投げで退けて8戦全勝、千代の富士(現九重親方)を抜いて単独最多となる26度目のストレート給金(1場所15日制定着以降)を決めた。幕内勝率も大鵬を抜いて単独1位。初顔に対して横綱昇進後23勝1敗(16連勝中)と若い力に圧倒的な力を見せつけ、05年初場所の朝青龍以来となる8年ぶりに中日を終えて2差をつけた。常幸龍が敗れて1敗が消え、2敗は8人。
【取組結果】

 追いかける2敗力士が8人とひしめいても、白鵬の春に荒れる気配は全くない。初顔の勢が気負い気味なのとは対照的に、立ち合いであっさり右四つになる万全の体勢。絶妙のタイミングで力強く左からぶん投げた。自らの取り口を「万全。いい相撲」と振り返ると、ストレート給金26回という単独1位記録に対して「いやいやと言ったらウソになる。1位というのは気分がいい」と珍しく自らの気持ちを素直に言葉にした。

 今場所、千代大龍と勢を一蹴し、これで横綱昇進後、初顔相手には23勝1敗。前半戦で取りこぼしがないのは新しい芽に対して横綱のプライドを誇示したいからだ。その上で白鵬が怠らない作業がある。「相手に自ら強さを植え付けること」と「徹底的な研究」だ。この日、対戦した勢も1年前に新入幕を果たして以来、巡業の稽古相手として幾度も胸を合わせて対戦する時のために準備。今場所前には千代大龍の九重部屋に出稽古し、その際に押し出される場面があったため、翌日も自身の出稽古先に来るように指示した。

 記録を塗り替えられた九重親方は独走態勢の心境について「俺は凄く喜んだ。気合入ってくるから」と言う。これには白鵬も「分かる気がする。荒れる場所を引き締めていくという気迫はあります」。円熟期を迎えた28歳は勝ち続ける者にしか分からない境地に達している。

 ▽今場所の白鵬の記録 ストレート給金回数で単独1位となったと同時に幕内通算勝率でも昭和以降の横綱としては大鵬を超えて1位となった。先場所11日目にも1度超えたが、その後2敗して後退。今場所の8連勝で・8383となり、大鵬の・8382を再び抜いた。

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2013年3月18日のニュース