真央 フリー自己新で銅!ヨナには完敗…悔しさを糧に

[ 2013年3月18日 06:00 ]

3位になった浅田のフリー演技

フィギュアスケート世界選手権最終日

(3月16日 カナダ・ロンドン=バドワイザー・ガーデン)
 完敗が未来への糧になる。女子フリーで浅田真央(22=中京大)が、6年ぶりに自己ベストを更新する134・37点をマーク。ショートプログラム(SP)6位からフリー2位と巻き返し、合計196・47点で銅メダルを獲得した。10年バンクーバー五輪金メダルのキム・ヨナ(22=韓国)が今季世界最高の218・31点で圧勝し、4年ぶり2度目の優勝。浅田は今季6戦目で初の敗戦。2年ぶりに直接対決した宿敵に付けられた21・84点差は 14年ソチ五輪までに埋めてみせる。

 表彰式で初めて視線が交錯した。世界の頂に立つキム・ヨナを、浅田が優しく抱きしめる。11年世界選手権以来2年ぶりの直接対決で宿敵の強さを思い知った。フリーの自己ベストを6年ぶりに更新しながら、21・84点差の完敗。「強いライバルがいる中でやってて、悔しい思いをする時もあるけど、また成長できると思う」。この悔しさが糧になると信じているから素直に負けを受け入れた。

 キム・ヨナと7・87点差で迎えたフリー。22番目に演技した浅田は、最終24番目に滑るライバルに重圧を与えるためにも、好演技が必要だった。冒頭のトリプルアクセルは認定されたが、両足着氷で減点され、3―3回転は単発のループに。ミスから始まった「白鳥の湖」だが、ここから羽を広げた。3回転ループを2回転ループとの連続ジャンプに変更し、優雅に力強く舞ったステップは最高難度のレベル4。「最後は気持ち良く終われた」と柔らかく笑った。

 キム・ヨナとの対決がクローズアップされた。「久しぶりの再会だったので、バンクーバー五輪の時のような感じもあった。キム・ヨナさんのことを質問されることが多くて、いつものような気持ちじゃなかった」。他の選手と比較されるのは本意ではない。常に比べるのは自分自身。ジュニア時代の映像を見て成長を確認してきた。今季開幕時はトリプルアクセルをプログラムに入れていなかった。だが2月の四大陸選手権と今大会は組み込むことができた。だから「最高の演技ではなかったけど、過程は最高だったと思う」と胸を張った。

 最高のプログラムを完璧に演じきった時、ライバルを超えることが可能になる。「今の時点では自分がミスをしている。自分がミスのない演技をして、(キム・ヨナと)どれくらい争っていけるか試したい」。14年ソチ五輪に向け、キム・ヨナとのライバル・ストーリーの第2章の幕が開いた。

 ≪今季最終戦は4月国別対抗≫浅田は4月11日開幕の世界国別対抗戦(東京・国立代々木競技場)で今季を締めくくる。昨年は世界選手権6位などの不振で出場できなかったが、今年はメンバー入りが決定的。14年ソチ五輪は団体戦が採用されるため試合形式は違うものの、国別対抗戦は予行演習となる。「ソチで団体戦もあるし、国別対抗戦が楽しみ」と目を輝かせていた。

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