渡部 15歳女子高生パワーで岩崎恭子以来の金狙う

[ 2012年7月24日 06:00 ]

平井コーチ(右)の指摘に日焼けのあとを気にする渡部香生子

 競泳女子200メートル平泳ぎ代表の15歳、渡部香生子(JSS立石、東京・武蔵野1年)は22日、本番会場の水泳センターで練習した。選手村では個人メドレーの大塚美優(18=スウィン大宮、埼玉・武南高3年)と同部屋。女子高生同士、切磋琢磨(せっさたくま)しながらトレーニングを続けている。日本選手団最年少の15歳は女子高生パワーで表彰台を狙う。

 約4カ月ぶりに五輪本番プールに帰ってきた。3月のプレ大会に出場している渡部は「(五輪ロゴを掲げたプールは)オリンピックの特別な感じがする。ついに来たなっという感じ。少し緊張感が出てきた」と気持ちを高ぶらせた。

 日本選手団最年少で注目を集める存在だが、過度に緊張した様子は感じさせない。練習前には観客席を上がって、会場の雰囲気を確認。会場入りできるスタッフの数が限られるため、日頃指導を受ける麻績コーチから離れて練習しているが、日本代表の平井ヘッドコーチの助言にも、しっかり耳を傾けた。携帯電話の動画を使ってターン動作の遅さを指摘されると、入念に動きを確認した。

 練習に集中できているのは2学年上の同じ女子高生、大塚の存在が大きい。この日は隣のコースで約1時間、競り合うように泳いだ。プール外でも、6月のイタリア遠征から同部屋。携帯音楽プレーヤーで洋楽を流しておしゃべりし、リラックスした生活を送っている。「ピリピリし過ぎてもよくないよね、と話している。心の支えになっている」という。オン・オフの切り替えは万全。「互いに調子が上がってきたと思う」と実感している。大塚も「(渡部の好調さが)表情とかでちょっと分かる」と語った。

 目標タイムは4月の代表選考会で出した自己ベストを約1秒上回る2分22秒5。ここに届けば、同種目では92年バルセロナ五輪金メダルの岩崎恭子以来の表彰台も見えてくる。「準決勝でベストを出して、決勝を思い切り戦いたい」。スペイン・テネリフェでの直前合宿で真っ黒に日焼けした女子高生は元気いっぱいに誓った。

 ◆渡部 香生子(わたなべ・かなこ)1996年(平8)11月15日、東京都生まれの15歳。武蔵野中―武蔵野高1年。個人メドレーを専門としていたが、中1で平泳ぎに転向。昨年5月のジャパンオープンで平泳ぎ3冠を達成。今年4月の代表選考会200メートル2分23秒56の2位で五輪切符を手に入れた。1メートル64、54キロ。

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