藤本にメジャーの洗礼…予選突破も4オーバーに後退

[ 2012年7月22日 06:00 ]

通算4オーバーでホールアウトした藤本

USPGAツアー 全英オープン第3日

(7月21日 英国リザムセントアンズ ロイヤルリザム・アンド・セントアンズ=7086ヤード、パー70)
 日本人ルーキーで初めて全英の予選ラウンドを突破した藤本佳則(22=フリー)は、第3ラウンドでも粘りのゴルフを見せた。40位からスタートして、前半は4ボギーが先行したが17番でバーディーを奪い返して73。通算4オーバーの54位に後退したものの、修正能力の高さを見せた。石川遼(20=パナソニック)は通算6オーバーの109位で、メジャー5戦連続で予選落ちした。

 日本人ルーキーとして初めて臨んだ決勝ラウンド。序盤でつまずいての73に藤本は「自分が思うような球を打とうとして失敗した。低く強い球を意識しすぎてつかまりすぎた」と反省した。

 自慢のショットが左、左へと飛び出した。2番でティーショットを左のロープ外まで曲げると、2打目は隣り合わせの4番グリーン脇のスタンド近くまでさらに曲げた。何とかボギーで収めたが、バンカーにつかまった3番、5番、6番でもボギーを叩き、前半で早々に4打落とした。

 前日は日本人の新人として予選突破を果たす快挙。それでも、「これくらいやらなきゃ上では戦えない。これで驚いていたらそれだけで終わってしまう」と貪欲に上位を目指す決意を見せていた。今季からプロ転向した東北福祉大出身の22歳。襟足の長い髪形と2タックパンツ、さらにムキムキボディーの独特スタイルで日本ツアーでも大活躍している。

 日本ツアー最速に並ぶ5試合目で初優勝を飾った大物はメジャー舞台にも動じなかった。予選2日間は今年のマスターズを制したB・ワトソン、世界ランク3位のウェストウッドと同組。大柄な2人に挟まれると1メートル65の体はひときわ小さく見えたが、「2人は英語だから何を言っているのか全然分からなかった」と笑い飛ばした。一方で、「2人ともブッシュに入ってもバチンと打ってくる。横に出すだけだったとしてもボギーで収める。絶対にダボにしないあたりが凄い」と世界レベルを冷静に肌で感じ取っていた。

 第3ラウンドも序盤のミスを冷静に分析した。左に行く傾向から「後半はドロー気味にやった」と修正。17番で約190ヤードを6Iで1メートルにつけてバーディーを奪い、最終日の巻き返しへの足がかりをつかんだ。「あしたはバンカーに入れずに気持ち良くやりたい」。上位進出は難しくとも、納得のゴルフで初メジャーを締めくくるつもりだ。

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2012年7月22日のニュース