貴乃花親方 升席15日間通し購入者にチケットお届け

[ 2012年2月5日 06:00 ]

15日間通し升席購入者にチケットを自ら届けることを明らかにした貴乃花親方

 3月11日に初日を迎える大相撲春場所(大阪府立体育会館)の担当部長に就任した貴乃花親方(39、元横綱=スポニチ本紙評論家)が4日、観客動員増への仰天プランを披露した。15日間の升席を通して購入したファンに対し、親方自らが自宅や会社にまで出向 いてチケットを届ける特典をつける計画を練っているという。2年ぶりに行われる春場所での「15日間満員御礼」に向け画期的な取り組みにチャレンジする。

 もし、自宅の玄関に貴乃花親方がチケットを持って現れたら――。

 こんな夢のような企画が現実のものとなろうとしている。前売りチケットの販売開始となる5日に向け、貴乃花親方は「ファンの方々に会場に来ていただくためには自分の足を使う覚悟です。15日間を通して升席をご購入いただきましたら、私がチケットを直接お届けしたい」と超異例の計画を披露。春場所担当で大阪府出身の富士ケ根親方(元小結・大善)とともに、通しで購入したファンの自宅や会社へ出向いてチケットを手渡し、握手やサインを行うという。

 貴乃花親方は職務が発表された1日にいきなり「15日間満員御礼」を目指すことを宣言した。2日には大阪入りし、春場所の事務所開きに参加。東日本大震災から1年にあたる場所初日に被災者を招待するプランや、平日の集客へ女性層の開拓が鍵を握るとして主婦など和服での来場者に入場料の値引きや握手会など特典を付けるプランを次々と披露。7日からは大阪府庁や大阪市役所を回る予定で橋下徹大阪市長にも協力を願う意向だ。

 かつて春場所は74~02年に409回連続で満員御礼が出た「安泰場所」だったが、それも今は昔。最近の10年間で満員御礼が半数以上だったのはわずかに4回だけ。しかも、昨年は八百長問題のために中止となった。それだけに、角界初の試みとなる「お届けサービスプラン」には、地元関係者も大歓迎だ。チケット販売に携わる大阪相撲案内所組合の清水武組合長(68)は「相撲協会の部長自らが動いていただけるのは、われわれも本当にありがたい」と話した。

 升席A(4人分)の場合では1日4万5200円×15日間で総額67万8000円。一般人には少々お高い金額だが、平成の大横綱と対面できるとあればお得な“買い物”だ。普段は固い大阪人の財布のヒモも思わず緩んでしまうかもし

 【主な特典チケット】

 ☆サッカー J1の神戸では2012年のシーズンシート(ホーム全20試合、12万6000~1万円)の早期申込者に選手からハッピーバースデーのビデオレターがもらえる権利(1人)や始球式ができる権利(1人)などの特典をつけて販売した。
 ☆ゴルフ 男子ツアーとおとうみ浜松オープン(5月、グランディ浜名湖GC)は石川遼らトッププロとラウンドできる可能性のあるプロアマ大会出場権付き前売り券(3万5000円)を限定10人に販売。

 ☆大リーグ ほとんどの球団が年間シート購入者への特典サービスを実施。レッドソックスなどは、試合前のグラウンドで選手と記念撮影できる特典がある。また、チケット購入回数に応じポイント制を導入し、球場内の売店で割引を受けられるサービスを実施している球団も。

 ☆NBA ハーフタイムに抽選で選ばれたファンがハーフラインから1投だけシュートを打てる。もし成功すれば2万ドルの賞金をゲット。タイムアウトでは随時、Tシャツがスタンドに投げ込まれる。

 ☆NFL スーパーボウルはスタジアム以外の場所にFGや40ヤード走などを体験できる「NFLエクスペリエンス」という特設アリーナが設置されチケットを持っていないファンで大盛況。また「NFLビレッジ」では無料コンサートなども開催。

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