猫ひろし 自己ベストの力走も“五輪お預け”

[ 2011年11月17日 06:00 ]

東南アジア大会男子マラソンで5位に入賞し、インタビューを受ける猫ひろし

 カンボジア国籍を取得したタレントの猫ひろし(本名滝崎邦明、34)が16日、インドネシアのパレンバンでロンドン五輪のカンボジア代表選考会を兼ねた東南アジア大会男子マラソンに挑み、自己ベストの2時間37分39秒で5位に入った。カンボジア選手唯一の出場で「同国1位」はクリアしたが、五輪出場条件とされるタイムには届かなかった。年明けに再挑戦する。

 スタートするや「ニャー」と鳴いて気勢を上げた。日中の高温を避けるため午前5時半の号砲となったが、既に26度。ゴール時には34度を超える高温多湿の悪条件の下、序盤で先頭から遅れるも後半は両脚を叩きながら完走した。

 「目標に届かなかったのは自分の実力。自分としてはこういう状況の中でよくやったと思う。調子は良かった。残念だった」

 昨年2月の東京マラソンで記録した2時間37分49秒の自己ベストを10秒更新した。五輪出場の条件だった「カンボジア勢1位」をクリアした。これで晴れて五輪代表入り…となるはずだった。

 しかし、大会の直前になって同国の有力3選手全員が欠場を表明。そのため、同国のオリンピック委員会は猫に、新たにタイム条件を出した。

 大会を欠場した同国のエース、ヘム・ブンティン(25)が8月に記録した今季最高記録が2時間31分台。猫にはこの前後のタイムが目標と思われたが、同国オリンピック委員会のワット・チョムラーン事務局長は大会後「2時間27~28分を期待していた」と厳しい条件を課していたことを明らかにした。今回のタイムについて、同氏は「満足できる結果ではない」と、五輪代表には不十分との見解を示した。

 ◆これまでの経過
 ▼08年2月 東京マラソンでフルマラソンに初挑戦。3時間48分57秒で完走
 ▼同12月 カンボジアでのアンコールワット国際ハーフマラソンで1時間16分台で3位。日本人1位
 ▼今年2月 カンボジア国籍取得を申請
 ▼10月初旬 カンボジアに渡る
 ▼11月9日 同国国籍を取得したと発表

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