遼「ミス許されない」超難関コースに武者震い

[ 2011年8月10日 06:00 ]

インのハーフを回り、コースのチェックをした石川遼

 ブリヂストン招待で米ツアー自己最高の4位に入った石川遼(19=パナソニック)が8日、今季最後のメジャーとなる全米プロ(11日開幕、米ジョージア州アトランタ・アスレチック・クラブ)に向けて早くも練習ラウンドを行った。午後にコース入りすると、インの9ホールを回って難コースを身をもって体験。好結果にも浮ついた様子を見せずにメジャーでの優勝争いを見据えた。

 ブリジストン招待の会場だったクリーブランドからアトランタに空路移動した石川は、そのまま全米プロの会場コースへと直行した。「休もうかとも思ったけど、とにかくコースが見たかったし、練習もしたかった」。移動の疲れも見せず、突き刺すような強い日差しの中で9ホールをラウンドした。ホールアウト後は「リョーゥ!」と声を上げながら次々にギャラリーが駆け寄ってきた。練習グリーンの脇で石川がサインペンを手にすると、あっという間に人だかりができた。アダム・スコットとの優勝争いから一夜明け、石川のネームバリューは一気に広がっていた。

 「今までのメジャーの練習ラウンドとはひと味違う雰囲気だった。でもこれだけ多く声を掛けてもらうと自信、元気になるのと同じだけ危機感も強くなった」

 危機感の要因は明らかだった。01年に片山晋呉が4位と健闘して以来、10年ぶりの全米プロ開催となる今回のコースは、前回よりも254ヤード伸びて7467ヤードのパー70で行われる。しかも難コースが目白押しで、15番パー3は打ち下ろしながらも260ヤードと距離が長く、右サイドには大きな池が絡む。普段はパー5のホールをパー4にした507ヤードの18番は、250ヤード付近から左サイドに池が広がり、その池はグリーン手前まで伸びて行く手を遮る。石川も「全米プロらしく終盤になればなるほど難しい。14番からはほとんどミスは許されない」と長く険しい道のりに舌を巻いた。

 実際、その18番ではティーショット、2打目と次々に池に落とし「一番タフ」と早くも洗礼を浴びた。グリーンも芝目の強いバミューダ芝ながら、硬く速い仕上がりは先週とは違った表情だ。「先週はショートゲームがスコアを助けてくれた。逆に言えば、ショートゲームが悪くなればスコアも一気に悪くなる」。ますます募る危機感を楽しむかのように、石川は目を輝かせた。それを攻略するだけの自信が今の石川にはある。

続きを表示

この記事のフォト

2011年8月10日のニュース