遼くん ロッジの庭からスーパーセーブ!ピン3メートル

[ 2011年8月6日 06:00 ]

18番、ロッジの敷地内から第3打を放つ石川遼(撮影・青木芳治通信員)

世界ゴルフ選手権シリーズ・ブリヂストン招待第1日

(8月4日 米オハイオ州アクロン・ファイアストーンCC=7400ヤード、パー70)
 石川遼(19=パナソニック)がミラクルパーセーブで米国ギャラリーの大歓声を浴びた。最終18番でグリーン奥にあるロッジの庭に打ち込み、そこから綱渡りのプレーでパーを死守。4バーディー、1ボギーの67でまとめ、3アンダーの13位と上々の滑り出しを見せた。池田勇太(25=日清食品)はバーディーなしの4ボギーで4オーバー、72位と大きく出遅れた。

 直前の組でウッズがプレーを終えた第1日、帰り支度を始めていたギャラリーが「なんだ、なんだ」と集まってきた。18番グリーンの奥、カート道を挟んで、さらに奥にあるロッジの柵の内側。あらぬところに石川の姿があった。

 3アンダーで迎えた最終ホール、1打目を左の林に大きく曲げた。残り153ヤードからの2打目はスライスがかからず、真っすぐにすっぽ抜けた。ボールはギャラリーテントの屋根で大きく跳ね、グリーンと別方向のロッジの敷地内に転がった。

 「練習ラウンドでは当然あそこまで調べてないし、どんな状況か不安だった」。救済措置は受けられたが、最初の処置ではボールがカート道の上になるため、そこからの救済として再び柵内へ移動。競技委員に教わりながらあれやこれやとボールを動かし、結果的に同じ柵内でもピンを狙える位置に移動できた。

 ピンまで53ヤード。目の前に1メートルほどの高さの門灯が邪魔をしたが「クラブが当たってもしようがない」と覚悟を決めた一打はピン奥3メートルに。すったもんだのナイスリカバリーに、ギャラリーからはウッズ級の大歓声。石川は差し出される手に次々ハイタッチしながらグリーンへ上がっていった。パットを沈めてミラクルパーセーブは完結。「ギャラリーもまさかのパーだったと思うので、それを自分で表現しました」とスタンドに向かいオーバーアクションで両手を広げた。

 ただし、この日は喜怒哀楽を鮮明にしたのはこの時だけ。「自分には好不調の波がある。適度な危機感があるので浮かれなかった」とプレー中だけでなくラウンドを振り返る姿は冷静そのもの。好発進にもミラクルパーにも地に足をつけて4日間を戦い抜く。

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