夏場所見据えて処分案か?早々と幕引きの感

[ 2011年3月25日 22:12 ]

 伊藤滋座長は特別調査委員会が発足した2月2日に「3、4カ月は必要」と真相究明への道を展望したが、2カ月足らずで処分案を大筋でまとめた。一定の調査を終えたものの、5月の夏場所開催を見据えて早々に幕引きした感は否めない。

 調査は難航した。物証は事実上、警視庁が出どころになった携帯電話のメールだけ。警察のような強制力を持たない特別調査委には限界があった。全関取を対象とした聞き取りでも有力な証言を得られなかった。委員会内に、これ以上時間をかけても無駄との意識が広がった。

 しかし、関与なしとされた多くの力士で夏場所を行い、調査を継続させるという案を持つ委員はいた。提出されたのは2台とはいえ、専門業者に依頼しているメール解析の結果を待たなかった。「証拠が少ない中で、尽くせる手をすべて尽くせたかが大事だ」という文部科学省の要望にも十分に応えていない。

 伊藤座長は当初、調査の進展具合と夏場所の開催は関係ないとする強硬論者だった。それが、横綱審議委員会などが夏場所を開くべきだと表明したのと同調するように路線変更。関係者によると、伊藤座長は会合のない日でも相撲協会を訪れ、幹部と善後策を協議した。“外圧”に屈し、夏場所開催への流れに乗ったと言われても仕方ない。

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2011年3月25日のニュース