魁皇、勝ち越し100場所達成!右肩激痛にも耐え…

[ 2011年1月21日 06:00 ]

<初場所12日目>魁皇が把瑠都(右)を寄り切りで破り勝ち越しを決めた

 大相撲初場所(東京・両国国技館)は20日、12日目の熱戦を繰り広げた。魁皇が把瑠都との大関対決を寄り切りで制して8勝目を挙げ、自身の最多記録を更新する通算勝ち越し100場所を達成した。前日の取組で悪化させた右肩痛に耐えて、千代の富士(現九重親方)が持つ史上1位の通算1045勝へもあと11勝と迫った。前日、稀勢の里に敗れた横綱・白鵬は大関・日馬富士を下し、単独トップの1敗をキープ。2敗の力士では平幕・隠岐の海が勝ったが、同じく平幕の栃乃洋と大関・琴欧洲は敗れた。

【取組結果


 誰も足を踏み入れることのできない境地なのかもしれない。入門から23年。地道に相撲道にまい進する38歳の魁皇が100回目の勝ち越しを決めた。「意識していなかった。まあ切りがいいんじゃないの」。偉大な記録は、ただひたすらに勝利を追い求めてきた結果だった。

 区切りの勝利は得意の形で決めた。突いてきた把瑠都の左手をたぐり、左を差して生命線の右上手をつかんだ。「狙ったわけじゃない。自然に手が出てしまう」。体に染みついた左四つで難なく寄り切った。館内はこの日一番の拍手に包まれ、放駒理事長(元大関・魁傑)も「立派なもの。長いことやってるしね」と称賛の言葉を贈った。

 10日目の稀勢の里戦で痛めた右肩が前日の玉鷲戦で悪化。腫れがひかず、前夜は病院で痛み止めの注射を打ち、はり治療も行い、冷やし続けた。そのかいあって「朝、凄く楽になった」。取組では右肩にテーピングを施し、痛みを耐え忍んだ。

 史上最多1045勝へもマジック11とした。両膝、両肩、腰に痛みを抱えており体はボロボロ。師匠の友綱親方(元関脇・魁輝)は「年末は忙しくて十分な治療ができていないようだった」と言う。だが、一人横綱のライバルが現れない限り、土俵に上がり続けることが人気大関の使命。角界の“不死鳥”はまだ羽を休めるつもりはない。

 ▽魁皇の同期生 有望力士が特別に多かった世代で、第64代横綱・曙、第65代横綱・貴乃花、第66代横綱・若乃花が魁皇と同じ88年春場所に初土俵を踏んだ。他にも和歌乃山、力桜が幕内に昇進した

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