遼くん 全米プロで攻めてトップ10入り狙う!

[ 2010年8月4日 06:00 ]

石川は全米プロ選手権出場のため成田空港から渡米

 今季メジャー最終戦の全米プロ(12日開幕、ウィスコンシン州ウィストリング・ストレーツ)を含む米ツアー2試合に出場する男子ゴルフの石川遼(18=パナソニック)が3日成田発の航空機で渡米した。出発前に成田空港で行った記者会見では海外メジャー自身初となるトップ10入りに向けて意気込みを口にした。

 日本一忙しい18歳は旅立ちの朝も慌ただしかった。出発前にインタビューと会見を立て続けにこなした。しかし、ハードスケジュールもなんのその。今季最後のメジャーを前に、石川の表情は意欲に満ちあふれていた。
 「今年戦った3つのメジャーは1つ1つ違った課題が見え、いいところも見えた。昨年は自分のゴルフができなかったけど、今年は日本でやってきたことを発揮できた。自分の戦い方が分かってきました」。マスターズは1打及ばず予選落ち。全米オープンは予選を2位で通過した後に失速した。全英オープンは27位。ペース配分を考えて臨んだが、力を残したまま大会を終えた。ただ、手応えもあった。
 「メジャーは凄く精神力を使うトーナメント。成長と課題が見えてくる。1打1打、1秒1秒を大切にすれば絶対にいいものが見えてくる」。先週のサン・クロレラ・クラシックの3日目に36ホールをラウンドしたが、後半の第3ラウンドでコースレコードの63をマーク。技術、体力、メンタルに自信を深めた。その上で目指すのはメジャー初のトップ10入りだ。
 「全米オープンは最終日に伸ばせばトップ10を狙えた。その位置で戦えたのはいい経験。サン・クロレラ・クラシックでは予選ギリギリでも3日目、4日目に頑張ればトップ10が狙える位置に行けた。トップ10フィニッシュをするためには、予選通過をあきらめてはいけないと思った」。石川は自らに言い聞かせるように「トップ10」と何度も口にした。76年全英オープンで鈴木規夫(当時26歳)が10位に入ったのが海外メジャーでのトップ10入りの日本人最年少記録。石川は全米プロで大幅更新を目指す。
 今季の米ツアー参戦はブリヂストン招待(5日開幕、オハイオ州)と来週の全米プロの2試合。来季のシード権獲得という標的もある。シード権は賞金ランク125位以内に与えられる。昨季の同順位の選手の獲得賞金は約66万ドル(約5700万円)。現在約15万ドル(約1300万円)の石川は「首の皮一枚つながっている状態」という。世界ゴルフ選手権シリーズのブリヂストン招待では、米ツアー以外の選手の賞金はランキングの対象にならない。そのため、全米プロで50万ドル以上稼がなくてはいけない。3位以内が条件という厳しい状況だが、石川は「全力で戦った結果で(獲れれば)いい」とあきらめていない。野心を抱えて石川は米国に乗り込む。

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2010年8月4日のニュース