女子新エース小平奈緒 史上初の短中距離3冠!

[ 2009年10月26日 06:00 ]

<全日本距離別選手権>女子1500メートルで連覇した小平奈緒(中央)は観客席の歓呼に応える。左は田畑、右は穂積

 スピードスケートの全日本距離別選手権最終日は25日、長野市エムウエーブで行われ、女子1500メートルで日本の新エース小平奈緒(23=相沢病院)が1分59秒34の大会新で2連覇を飾り、500メートルと1000メートルを合わせた短中距離では初の3冠を達成した。いずれも大会新で優勝の快挙で、バンクーバー五輪へ弾みをつけた。

 猛烈なラストスパートだった。小平は最終カーブの入り口で同走の田畑に抜かれたことを確認すると、そこからギアを上げた。「ここで負けたら五輪で同じ場面になっても負けちゃう」。カーブの出口で並び、ラスト100メートルの直線では懸命に両腕を振って日本の第一人者を抜き去った。田畑の国内最高記録に0秒04と迫る大会新の1分59秒34。短距離選手は前半が速く、後半に失速するのがパターンだが、規格外の粘りと勝負根性を見せつけた。
 「もう少し速い記録を狙っていたけれど3冠ができてホッとしています」。01年に田畑が1000メートル、1500メートル、3000メートルの3種目を制したが、500メートル、1000メートル、1500メートルでの3冠は史上初だった。
 バンクーバー五輪も3種目で挑戦する意向だ。現時点で最もメダルに近いのは1000メートルで、種目を絞ることを勧める声もある。だが「それぞれで自分を高めたい。どれも滑れないと1種目も勝てないと思う」と3種目にこだわる。団体追い抜きでも期待されており、鈴木強化部長は「誰が見てもエース。あのスピードは使いたい」と起用する方針を示した。

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2009年10月26日のニュース