最悪の真央…GPファイナル絶望的に

[ 2009年10月26日 06:00 ]

女子フリーの結果が振るわず、暗い表情で引き揚げる浅田真央。右はタラソワ・コーチ

 フィギュアスケートGPシリーズ・ロシア杯最終日の24日、SP6位の浅田真央(19=中京大)はフリーでも98・34点の5位となり、合計150・28点で5位に終わった。キム・ヨナ(19=韓国)に大敗したフランス杯(16、17日)から巻き返すどころか、51・94点のSP、フリー、合計、順位とすべてシニア自己ワーストを記録し、12月のGPファイナル(東京)進出が絶望的となった。

 がく然とするほどの低スコアが表示され、次の選手が演技を始めても、キス&クライから立ち上がれなかった。前日(23日)のSP51・94点に続いてフリーでも98・34点の低評価。合計150・28点で順位も5位。ズラリと並ぶシニア自己ワーストに青ざめた真央の声は、かすかに震えていた。
 「トリプルアクセルはどうしても力が入ってしまう。やっぱりトリプルアクセルが決まらないと…。体に悪いところはないしジャンプも崩れていない。一番得点の高いジャンプなので100%跳べるようにしたい」
 2回転とのコンビネーションの予定だった冒頭のトリプルアクセルで転倒すると、続いて挑んだ単発のトリプルアクセルも1回転半。3回転フリップも回転不足になるなど、キム・ヨナに大敗したフランス杯よりもさらに状態は悪化した。試合後は深夜にタチアナ・タラソワ・コーチと緊急ミーティング。一夜明けた25日、浅田は「曲は変えないけど中のプログラムは少し変えます。トリプルアクセル3回へのこだわりは変わりません」と今後の方向性を明かした。
 今季のエキシビション「カプリース」への変更案が浮上していたSPの「仮面舞踏会」、フリーは重厚なメロディーの「鐘」と使用曲はそのままで、SP1度、フリー2度のトリプルアクセルも挑戦続行。技のつなぎの部分を手直しして、巻き返しを図ることを決めた。また、フランス杯、ロシア杯とGPシリーズ連戦となったことで休養を取る時間がなかったため、タラソワ・コーチからは休養の重要性も説かれたという。
 GPシリーズ2戦の成績が2、5位でポイント上位6選手が出場可能なGPファイナル進出は絶望的。10年バンクーバー五輪代表選考会の全日本選手権(12月25日開幕、大阪)までに、本来の姿を取り戻せるのか――。「次の試合に向けて頭を真っ白にしてから、新しい気持ちでできればいいなと思います。あとは気持ちをコントロールしたい」。浅田がかつてない窮地に立たされた。

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2009年10月26日のニュース