高見盛 胸張る5連勝!師匠の定年が発奮材料

[ 2009年5月14日 20:42 ]

 【大相撲夏場所】勝った後の花道で、高見盛はいつもより大きく胸を張って引き揚げた。無理もない。初日からの5連勝は入幕以来初めてだ。「だってうれしいじゃないっすか。自分でも信じられない」。風呂から上がっても興奮は収まらなかった。

 同じ青森県出身で同学年の武州山に対し、右四つ、左上手を引いての寄りで圧倒。「相手に何もさせなかったし、自分の相撲が取れた」と通算800回出場を飾る完勝を喜ぶ。
 本人は「まぐれだ」という快進撃だが、師匠の東関親方(元関脇高見山)が今場所限りで相撲協会を定年退職することが発奮材料となっている。

 新十両となった2000年初場所。本名の加藤から改名する際、高見城や高見桜が候補に挙がったが、東関親方に「おまえはうちの部屋と相撲界を盛り上げろ」と言われ、しこ名が決まった。「東関部屋の灯を消さないようにすることが親方への恩返しになる」と場所前から言い続けた。

 土俵上でのしぐさと同じく、夜の行動も面白い。今場所は縁起を担ぎ、初日から部屋の近くの焼き肉店に1人で通い続けている。「ここ数日は落ち着かないけど、自分のできることを精いっぱいやるだけだ」。“カトちゃん”の愛称で親しまれる33歳の目標は、師匠も果たせなかった「40歳まで現役」だ。

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2009年5月14日のニュース