古閑が“牙パター”で単独トップに

[ 2008年8月24日 06:00 ]

“牙パター”を手に笑顔を見せる古閑美保

 女子ゴルフツアーのCATレディース第2日は23日、神奈川県箱根町の大箱根カントリークラブ(6648ヤード、パー73)で行われ、首位と3打差の3位で出た古閑美保(26=キリンビバレッジ)が5バーディー、ボギーなしの68で回り、通算9アンダー、137で単独首位に立った。2打差の2位はコース記録タイの66をマークした藤田幸希(22=TOSHIN)と初日首位の三塚優子(23=フリー)。国内ツアー復帰2戦目の上田桃子(22=ソニー)と大会連覇を狙う横峯さくら(22=エプソン)は通算4アンダーで13位につけた。

【GO!アスリート 古閑美保 第2日成績】

 175ヤードの12番パー3。古閑は第1打を5Iでピン手前4メートルにつけ、これをねじ込んでバーディー。カップからボールを拾った手をそのまま上げ、笑顔でギャラリーに応えた。6番では3メートル、15番でも4メートルのバーディーパットを沈め、「きょうは4、5メートルが入ってくれたので、そこそこ良いゴルフができている」と、単独トップに納得の笑みを浮かべた。
 4年間のいちずな思いを断ち切った。とは言っても恋愛ではなく、パターの話だ。今季は5月のクリスタルガイザー・レディースで優勝後、パッティングに悩み、7月中旬のスタンレー・レディースでは予選落ち。翌週のカゴメ・フィランソロピーでは見かねた師匠の清元登子プロから、愛用するノーマルなマレット型のパターを替えるよう指示された。「4年くらい使っていたから替えたくない」と抵抗したが、師匠は「技術が上がっているんだから、今の技術に合ったものに替えた方がいい」と、5、6本試したパターの中からオデッセイの「セイバートゥース」を選択。ヘッド後方に2本の“牙”が出ているデザインの最新型が古閑に手渡された。
 「クラブに助けられてもいいのかな」とこだわりを捨てると、その後は「腐らずに練習した」成果もあってアクサ・レディースで2位、先週のNEC軽井沢では9位と復調。3週連続で最終日最終組で回る権利を手にした。首位タイから出たアクサ・レディースでは優勝をさらわれた諸見里に「プレッシャーをかけられなくて、自分にむかついた」と言う。再び来たチャンスに「優勝は意識します。最後はパッティングになる」。新パターを手に今季2勝目を目指す。

 ≪藤田自己新アンダー≫藤田が“ケガの功名”で優勝争いに加わった。4月に右手首を痛めたが、大会前日は右腕全体が蛇口もひねれないほどに痛くなった。片道2時間をかけ、都内ではり治療を受けて出場にこぎつけたが、初日は「腕がだるかった」とイーブンパー。だが、だるさが消えたこの日は自身ベストの7アンダーで猛チャージした。出場も危ぶまれただけに「ゴルフができるのはこんなに楽しいんだと思った」という無欲のプレーが功を奏した。
 ≪桃子は試行錯誤≫上田はこの日も改造中のパッティングで試行錯誤を続けた。7番までに3バーディーを奪ったが、8番からパットの感触が悪くなり、その後はスコアを伸ばせなかった。「後半はパターが気持ち悪くなってきた。グリップを長くしたり、短くしたり、スタンスを変えたりいろいろしたけど…」ときっかけをつかめぬまま。「女子プロ選手権(9月11日開幕)までには完成しないと思う。ただ、戦えるレベルにはしたい」と時間をかけて取り組む考えを示した。
 ▼2位・三塚優子 今週に入ってから腰に違和感があって、今朝から痛い感じだった。ただ、どこかが痛いとかはみんなもあるし、言ってられない。(3バーディー、3ボギーのイーブンで首位から後退)

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2008年8月24日のニュース