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イニエスタ“神パス”1勝!「最後のW杯」V奪回へ猛進

[ 2018年6月22日 05:30 ]

W杯1次リーグB組   スペイン1―0イラン ( 2018年6月20日    カザン )

イラン戦でボールキープするスペイン代表MFイニエスタ(中央)(AP)
Photo By AP

 B組のスペインは20日、W杯後にJ1神戸に加入するMFアンドレス・イニエスタ(34)の活躍で、イランを1―0で撃破した。守備的な相手に苦しんだが、世界屈指の司令塔が後半9分にFWディエゴコスタ(29)のゴールを演出。勝ち点を4とし、25日(日本時間26日)にモロッコと対戦する。

 イニエスタは、静かにチャンスを待つ。守備的なイランを攻めあぐねていたが後半9分、冷静に使命を果たした。右サイドからドリブルで1人かわし、MFシルバとのワンツーで前進。柔らかいパスをディエゴコスタに通すと、イランのクリアがディエゴコスタの右脚に当たって決勝ゴールが生まれた。イエロ監督は「勝ったチームを誇りに思っている」と振り返った。

 イニエスタは、静かに現実を受け入れる。ポルトガルとの初戦の2日前に前監督のロペテギ氏が解任され、イエロ新監督が就任。「誰にとっても不快で困難なものだったが、もう過ぎたこと」。ポルトガル戦はドローで勝ち点1。初戦で勝ち点3を奪ったイランを下さなければ、1次リーグ突破に黄信号がともっていた。重要な一戦で頼りになるのは、やはり百戦錬磨の司令塔だった。

 イニエスタは静かに祈りをささげる。今大会後にJ1神戸入りするが、18日に新天地に近い大阪北部を震源地とする地震が発生。選手、スタッフの無事と感謝を伝えるクラブの公式ツイッターを引用し、「被災した全ての方々にお見舞い申し上げます」と英語とスペイン語でメッセージを送った。プロ16年のキャリアで一度も退場がない紳士は、被災者に寄り添っている。

 イニエスタは、静かに進撃を誓う。後半26分に交代し、今大会初勝利のホイッスルはベンチで聞いた。派手なアクションはなく、淡々とチームメートをねぎらった。歓喜の爆発にはまだ早い。25日には1次リーグ突破を懸けたモロッコ戦、そして決勝トーナメントへ戦いは続く。34歳。「今大会が最後のW杯になるだろう」。国を背負った航海の締めくくりは、2大会ぶりのV奪回がふさわしい。

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