乾　批判を封じるゴール　クラブは「国際化戦略にプラスになる」と判断

　エイバルのＭＦ乾貴士（２８）が“緊急来日”の直前に、今季初ゴールを決めた。

　１日、アウェーのビジャレアル戦に左ＭＦで３試合連続で先発し、フル出場。２―１で迎えた後半３２分、前線で相手選手からボールを奪ってドリブルで突破し、最後はＧＫとの１対１を冷静に左隅に決めた。今季リーグ戦出場２１試合目で待望の初得点に、歓喜の雄叫びを上げた。

　批判を封じるゴールだった。前日にはクラブは、乾がスペイン国王夫妻の来日に伴って帰国し、６日に東京で行われる安倍首相主催の夕食会に出席すると発表。シーズン中にリーグ戦を欠場しての異例の帰国にネット上ななどで批判的な声も上がっていたが、クラブ首脳が日本政府からの招待に対し「プラス面とマイナス面を考慮した結果、クラブの国際化戦略にプラスになる」と判断したものだった。

　メンディリバル監督は前日会見で「外交的判断としかいえない。他の選手が活躍すれば、乾はすぐチーム（先発）には戻れない」と厳しく語っていたが、乾は“置き土産”のゴールで５試合ぶりの勝利に大きく貢献した。クラブによると、乾はビジャレアル戦後に帰国し、７日にチーム合流予定。６日ラスパルマス戦の欠場は確定で、地元メディアは９日のセルタ戦も欠場すると伝えている。