×

新エースだ久保 頼もし2戦連発!先輩2人目覚めさせた

[ 2017年3月29日 05:30 ]

サッカーW杯アジア最終予選B組   日本4―0タイ ( 2017年3月28日    埼玉 )

<日本・タイ>後半12分、久保が2戦連続のゴールを決める
Photo By スポニチ

 新エース久保が2戦連発だ!W杯アジア最終予選B組の日本代表はホームのタイ戦に4―0で圧勝した。右MFで3試合連続で先発出場した久保裕也(23=ヘント)は後半12分、2戦連続ゴールとなる3点目を決めるなど3得点に絡む圧巻の活躍。日本代表は勝ち点を16に伸ばしW杯出場圏内をキープ、6大会連続本大会出場へ前進した。次戦は6月13日にイラクと中立地イランで対戦する。

 新たな時代を告げる、美しき弾道だった。後半12分、久保がペナルティーアーク付近からゴール右上を左足で狙い澄ました。「スローインを受けて相手(マーク)をうまく外せて…。冷静でしたね。落ち着いて蹴れました」。試合を決めた17メートルの一撃。W杯最終予選で初得点から2戦連発は97年の呂比須ワグナー、12年の栗原勇蔵に続く史上3人目の快挙だ。

 前半、2得点の起点となったのもプロローグにすぎない。前半8分、低いクロスで香川の先制点を演出、同19分にはニアに飛び込む岡崎のヘッド弾をピンポイントクロスでアシストした。周囲との連係について「前より良くなってると思う」と久保。代表4戦目。最後に見せた真価が左足弾。23日のUAE戦と合わせれば6得点中5点に絡む圧巻の貢献度だ。

 今年1月、クラブ史上最高の移籍金約4億2700万円でヤングボーイズからヘントに移籍。スイス時代と違い、1対1の局面が多く、当初は抜き切れない場面も目立った。「欧州のトップレベルになるにはアジリティー(俊敏性)が必要」と痛感。オフ明け後、アジリティーを高めるトレーニングを取り入れた。既にヘントで7戦5発。勢いは日本代表にも持ち込んだ。

 右MFといえば、従来は本田の聖域。勢いと実力で3戦連続の先発を勝ち取った。久保は「絶 対的なポジションなんてない。結果を残し続けるしかない」と冷静だ。むしろ昨年11月のサウジアラビア戦で2点目の起点になった本田のゴールから逆算するポジショニング、ボールの受け方に感銘した。この日も「ボールの受け方、ポジショニングを意識した」。本田の技術も貪欲に盗んでいる。

 正念場の最終予選で再開後2連勝。試合後、周囲の意見を押しのけて久保を起用したハリルホジッチ監督は「私が起用しようと思い、使ったが、久保が裏付けをしてくれた」と称えた。12日のメヘレン戦で決めた華麗な4人抜き弾は、欧州でも話題をさらった。現地紙には「スシ・マラドーナ」と命名された。まさに日本の新しい顔だ。

 この日、原口に代わって途中出場の本田は右ではなくそのまま左MFに入った。試合勘不足からかタイDFのプレスに負けボールを奪われるなど久保との「明」と「暗」が際立った。「まだ満足感はない。この2戦で終わらないように。続けていくことが大事」と久保。黒山の人だかりとなったメディアを相手に威風堂々と話す姿から新エースの風格が漂った。

続きを表示

2017年3月29日のニュース