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優磨 復興祈願ヘッド!3・11前夜、被災地・鹿嶋に勝利届けた

[ 2017年3月11日 05:30 ]

<鹿島・横浜>後半、鹿島・鈴木(左)はヘディングでゴールを決める
Photo By スポニチ

 明治安田生命J1第3節は10日、3試合が行われた。鹿島は横浜を1―0で下してリーグ戦2連勝。後半38分にFW鈴木優磨(20)がヘディングで決勝ゴールを決めた。11日は東日本大震災からちょうど6年。被災した鹿島でユースから育った鈴木が勝利に貢献し、視察した日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(64)に代表入りを猛アピールした。

 「御前試合」で若武者が輝いた。後半26分に切り札として投入されて迎えた同38分、FW鈴木がDF伊東の右クロスに反応。横浜のDF松原のマークを振り切ると、中央で頭一つ抜けたヘディングでゴール右に突き刺した。「監督からの指示で1人真ん中に残るように言われていた。いいボールが来たので合わせるだけだった」。今季リーグ戦初得点。視察したハリルホジッチ監督は「両チームタイトなゲームだったが、その中でも若い鈴木が取ったことは私にとって喜ばしいことだ」と絶賛した。

 これで公式戦は6戦3発。プレシーズンマッチも含めれば、11戦8発と好調だ。それでも“背水の陣”と捉えてこの一戦に臨んでいた。2月28日のACLムアントン戦で同点の終盤にPKを外して、チームはロスタイムの失点で敗戦。ここ3試合無得点で「ラストの試合、くらいの気持ちだった」という。思いをヘディングに込めて結果を出したが、PK失敗の借りは「まだ返せていない」と満足はしていない。

 ヘディングは鹿島ユース時代から得意としているゴールの形だ。高1の時は線が細かったが、3食で計4000キロカロリーを摂取する寮での食生活もあり成長した。3年時になるとほとんど競り負けることがなくなり、得点の大半をひときわ高い打点のヘディングで奪った。ユースの熊谷監督は「相手が有利でも飛び込んでいくシュートがとても多い子だった」と振り返る。

 11日で東日本大震災から6年。小学1年生の時から鹿島の下部組織に通った鈴木が、昨年9月以来のリーグ戦本拠地勝利をもたらした。日本代表入りも猛アピールしたが、「鹿島でスタメンを獲らないと全然ない話」と浮かれる様子はなかった。

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