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斎藤から劇勝!横浜 俊輔いなくても新10番躍動で開幕白星発進

[ 2017年2月26日 05:30 ]

<横浜・浦和>前半、マークを振り切りシュートを放つ斎藤(左)
Photo By スポニチ

 新背番号10の活躍とともに25年目のJリーグが幕を開けた。明治安田生命J1リーグは25日に開幕、ホームで昨季年間勝ち点1位の浦和と対戦した横浜は3―2の逆転勝利を収め、クラブ通算400勝を達成した。中村俊輔(38=磐田)の後を受け、今季から主将で背番号10の日本代表MF斎藤学(26)がシーズン第1号をお膳立てするなど2アシスト。浦和とともに昨季年間王者の鹿島も敗れており、早くも戦国時代の到来を予感させた。

 トリコロールに染まったスタジアムが歓喜に沸いた。昨季年間勝ち点1位の浦和に、立て続けの失点でリードされながら終了間際に逆転。2アシストで白星に貢献した斎藤は「ラスト20分で絶対に何かあると思ってプレーした。チームみんなの勝利」と胸を張った。

 鋭いドリブルで相手を翻弄(ほんろう)した。まずは前半13分だ。左サイドでボールを奪うと、相手DFをかわしながらドリブルで持ち込み中央にパス。これに反応した新加入MFダビド・バブンスキーのJ1開幕弾をお膳立てした。極め付きは2―2で迎えた後半ロスタイム。1点目と同じように鮮やかなドリブルで持ち上がると、最後はMF前田にラストパス。前田が左足でネットを揺らし、劇的な逆転勝利を飾った。決勝点の前田は「学くんが良いボールをくれた。僕は合わせるだけ」と感謝。敵将のペトロヴィッチ監督は「横浜に負けたというより斎藤に負けた」とうなるしかなかった。

 元々J屈指のドリブラーだが、昨季からメッシ、ネイマールを参考に背筋が伸びるよう改良。さらに視野は広がった。破壊力は絶大で、2アシストは味方の動きまで完全につかんでいた。「序盤から自分がボールを持つと相手が怖がっているのか2、3人寄ってくるのが分かった。スペースが空くとは思っていた」としてやったりの表情だ。

 腹をくくった。昨オフは欧州クラブへの移籍を模索。ドイツ2部ボーフムが獲得に興味を示したが、移籍はかなわず断念した。中村俊輔ら主力が相次いで移籍した事情から斎藤の去就にも注目が集まり、「1月はメンタル的にもきつかった」と振り返る。だが、残留を決めた時から「自分にプレッシャーをかけたい」と厳しい環境に身を置くことを決意。自ら背番号10への変更を希望した。「俊さんに何も言わずにつけるわけにはいかない」と昨季まで10番を背負った中村俊に電話で報告。中村俊からは「頑張って」と背中を押してもらった。さらに中村俊から引き継いで新主将にも就任。名門の背番号10で主将という重圧はあるが、「それでつぶれたらそれまでの選手」と強い覚悟で開幕戦を迎えていた。

 日本代表は3月からW杯最終予選が再開する。切れ味鋭い突破はハリルジャパンにとっても大きな武器になりそうだが、向上心は尽きない。「まだ開幕の1勝だけ。まだまだ成長したい」。新ミスター・マリノスとともに、チームは最高の船出を飾った。

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