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憲剛 最年長MVP 川崎F36歳主将がチーム初受賞

[ 2016年12月21日 05:30 ]

MVPのトロフィーを手にした川崎F・中村は(右から)横浜・斎藤、川崎F・小林、浦和・柏木にうらやましそうに見つめられる
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 Jリーグ・アウォーズが20日、横浜アリーナで行われ、川崎FのMF中村憲剛(36)が最優秀選手賞を初受賞した。主将としてクラブ記録を更新する年間勝ち点72の獲得に貢献。36歳での受賞は13年の横浜・中村の35歳を超えて歴代最年長となり、川崎Fからは初の選出となった。ベストイレブンは年間王者の鹿島からDF昌子源(24)が初受賞し、年間勝ち点1位の浦和からはGK西川周作(30)ら4選手が選出された。

 一瞬、のけぞって驚いた中村の表情が、全てを物語っていた。年間王者の鹿島からでも、年間勝ち点1位の浦和からでもない。MVPに選ばれたのは、年間3位の川崎Fの司令塔だった。歴代受賞者を思い浮かべた中村は「(93年の)バルーンの中からカズさんが派手なスーツで登場した、あのMVPに選ばれたことを光栄に思います」と会場の笑いを誘うスピーチで喜びを表現した。

 ケガと戦い、主将として奮闘した。第1ステージは背中と腰を痛め、チームは鹿島に優勝を譲った。第2ステージ終盤に左脚の付け根を痛め、鹿島とのCS準決勝も途中出場で涙をのんだ。だが31試合9得点でクラブ最多となる年間勝ち点72に貢献し、初のCS出場に導いた。選手、監督の投票数では148票を獲得し2位・西川(浦和)に16票差をつけ「1年の頑張りが評価された」と振り返った。

 最年長36歳での初受賞は、貫いたクラブ愛の結晶だ。中大からテスト生で03年に入団し、J2時代から14年間も川崎F一筋。10年オフにはトルコの強豪カイセリスポールから総額2億円の獲得オファーを断った。スピーチではメディカルスタッフやクラブハウスの清掃、洗濯の担当スタッフ、グラウンドキーパーまで挙げ「フロンターレに関わる全ての皆さんのおかげ」と感謝した。

 9月には日本代表のW杯アジア最終予選のバックアップメンバーに選出された。ハリルホジッチ監督からは「(代表復帰まで)あと少しまで来ている」と伝えられ、「香川、清武に勝たないといけない」とハッパをかけられた。「もっと質を高めて、先頭に立って頑張りたい」。リーグNo・1選手としての看板を引っ提げ、さらなる飛躍を目指す。

 ▼最優秀選手賞の決定方法 J118クラブの監督と選手(リーグ17試合以上出場)による投票を行い、各ポジションの得票数上位選手から村井チェアマンが優秀選手賞33人を選出する。その33人から選考委員会(村井チェアマン、原副理事長、中西常務理事、木下理事、J118クラブ実行委員の計22人)がベストイレブンを決定。ベストイレブンを対象にした選考委員会による投票で最優秀選手が決まる。

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