×

鹿島 南米王者に3発快勝!アジア勢初の決勝進出

[ 2016年12月15日 05:30 ]

クラブW杯準決勝   鹿島3―0Aナシオナル ( 2016年12月14日    吹田ス )

<鹿島・Aナシオナル>前半30分、先制のゴールを決めた土居(左)雄叫びを上げ喜ぶ
Photo By スポニチ

 鹿島がアジア勢初の偉業を成し遂げた。クラブW杯準決勝1試合が行われ、開催国枠で出場のJリーグ王者・鹿島が南米王者のアトレチコ・ナシオナル(コロンビア)に3―0で快勝。前半33分にPKから先制点を奪うと、後半にも2点を加え、6度目の出場の日本勢で初めて、アジア勢としても初の決勝進出を果たした。鹿島は18日の決勝で、15日に行われるレアル・マドリード(スペイン)―アメリカ(メキシコ)の勝者と対戦する。 クラブW杯 日程&結果

 ついに歴史の扉が開いた。鹿島が、こじ開けた。ピッチ上では喜びの表情をあまり見せなかった選手たちだが、ロッカールームの扉を開けると一変。雄叫びがこだました。「歓喜でしたね」とPKで先制点を挙げたFW土居。かつてアジア勢でクラブW杯の決勝に勝ち進んだクラブはなく、それどころか準決勝でリードを奪ったクラブさえなかった。南米王者を下してアジア勢初の快挙を成し遂げ「僕ららしさを出してここまで勝ち上がってきた。(決勝でも)それを変えずに、鹿島らしいサッカーをするだけ」と胸を張った。

 先制点を鹿島にもたらしたのはFIFA主催大会では初めて採用されたビデオ判定で得たPKだった。「ここで決めれば勝ちに近づくなと思った」という土居が落ち着いて決めて先制。後半38分にはMF遠藤が、その2分後には、途中出場のFW鈴木が金崎の右クロスをファーサイドから流し込んで試合を決定づけた。20歳の鈴木はゴール直後に両手を大きく広げるRマドリードのC・ロナウドと同じゴールパフォーマンスを披露。喜びを爆発させ「(決勝ではCロナの)目の前でやってやります」と言ってのけた。

 Jリーグチャンピオンシップ(CS)では年間3位から川崎F、浦和を下して大下克上を達成。終わってみれば誰もが想像し得なかった日本一に輝いていた。休む間もなく迎えたクラブW杯も、初対戦の相手への抜群の対応力でしぶとく3戦を勝ち抜いた。ベンチ入りする23人以外の全ての選手も大会に同行。U−19日本代表DF町田のように「上の人があれだけやっていたら、自分たちはもっとやらないと試合に出られない」と感化される若手も多い。過密日程でも集中を保てるのは、全員が練習から全力だから。まさに総力戦でつかんだ決勝の切符だった。

 夢舞台は、たどり着くだけでは終わらせない。試合後のロッカールームで爆発させた歓喜は、一瞬で収束した。国内では18個もの主要タイトルを積み上げてきた常勝軍団。鈴木は「(決勝は)現実なんで。試合になって“お客さん”になったら負ける」と表情を引き締める。初戦でオセアニア代表のオークランドを下し、準々決勝でアフリカ代表のマメロディ、そしてこの日は南米王者をも撃破した。南半球勢を次々に下した勢いで、KASHIMAの名を世界中にとどろかせる。

続きを表示

この記事のフォト

2016年12月15日のニュース