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闘莉王 一方的退団に怒り…2度目の“肩叩き”で「心ズタズタ」

[ 2016年11月7日 06:17 ]

来季契約しないことを通達された名古屋DF田中マルクス闘莉王

 クラブ史上初のJ2降格が決定した名古屋の元日本代表DF田中マルクス闘莉王(35)が今季限りで退団することが6日、決まった。昨年オフには年俸の減額を提示され、契約が折り合わず退団。シーズン途中の8月にクラブ側の要請で復帰したが、来季契約しないことを通達された。またボスコ・ジュロブスキー監督(54)と契約を満了すると発表。新監督候補にポール・ル・グエン氏(52)とフランク・デュリックス氏(51)が急浮上した。

 W杯南アフリカ大会も経験したDF闘莉王ですら平静を保つことはできなかった。「またか、という感じ。2回も苦しませてくれるのか、と」。昨オフに続く非情な通告。怒り、悲しみ、失望。降格の責任を背負わされるかのような仕打ちに、涙を通り越して自虐的な笑みを浮かべるしかなかった。

 「去年の間違いを反省して、次に進むべきじゃないか。方向性が見えてこない」。継続路線で1年でのJ1復帰を果たした広島(07年に降格)やG大阪(12年に降格)の例を挙げ「そういったところを勉強してないな、と改めて思う」と親会社のトヨタ自動車のやり方を嘆いた。

 今回の降格は親会社から出向する幹部らと久米社長らのあつれきが招いた。指導者経験ゼロの小倉前監督をリーグ戦17試合連続勝ちなしでも交代をせずにいた。小倉前監督からジュロブスキー監督に交代し、闘莉王が復帰したのは残り8試合の時点。妊娠中の新妻をブラジルに置いて復帰した。その後3勝1分け3敗と最終戦まで残留争いをした。そんな闘将の気持ちを踏みにじるように契約を打ち切る通告に「心がズタズタです」とうつむいた。

 「去年もいろんな選手を取りにいって来なかった。そういう情報は選手間で流れる。選手が出ていくのも引き留められない。このままではJ1に戻ってこれない」。あまりにも身勝手なクラブのやり方を最後まで危惧していた。

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