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闘莉王 J再デビューだ!奇跡の逆転残留へ「生きるか死ぬか」

[ 2016年9月10日 05:30 ]

リラックスした表情でパス回しをする名古屋DF闘莉王(中央)

明治安田生命 J1第2S第11節 名古屋―新潟

(9月10日 デンカS)
 18年W杯ロシア大会アジア最終予選のため中断していたJ1リーグ戦が10日に再開する。アウェーで新潟と対戦する名古屋は、8月末に電撃復帰した元日本代表DF田中マルクス闘莉王(35)が復帰後初出場する。J2降格圏の年間16位と低迷するチームをリーグ19試合ぶりの勝利に導き、奇跡の逆転残留への第一歩を踏み出す。
【J1年間順位表 第2S順位表】

 決戦へ、抑えていても心が高ぶる。1時間の最終調整を終え、敵地・新潟入り。闘莉王は笑みを見せながらも自らの“使命”を口にした。

 「楽しみにしている。自分がどれだけできるのか。生きるか死ぬかの気持ちで戦うだけ」

 8月23日に小倉前監督が事実上の解任となり、ジュロブスキー・コーチが昇格。新指揮官から直接復帰を要請され、身重の新婦を置いてブラジルから舞い戻った。チームはリーグ戦18試合勝ち星がなく、年間16位に低迷。残留圏内の15位・甲府とは残り7試合で勝ち点差7。10日に対戦する14位・新潟とも勝ち点差7となっている。勝てば4差、負ければ10差。復帰戦はまさに大一番だ。

 闘莉王が「今はビリから3番目。どこが相手でも難しい」と話した通り、さっそくの試練が待ち受けている。敵地での新潟戦は過去1勝3分け8敗と圧倒的に分が悪い。さらにMF李承煕(イスンヒ)が累積警告で出場停止で、中盤の要・MF田口も発熱により出場が不透明な状況だ。ジュロブスキー監督は「闘莉王の経験が良い影響を与えてくれる」と逆境をはね返してくれることに期待を寄せた。

 「こういう時に、こういう試合。運命的なものを感じる。勝てば光が見えてくる。一番大事」

 誰よりも意気に感じ、誰よりも侍スピリッツを持つ闘将は力を込める。仲間の窮地を救うため、愛するチームに笑顔を取り戻すために――。背番号4を背負い、昨年11月22日・鹿島戦以来293日ぶりのピッチに立つ。

 ▽J1残留争い(数字は勝ち点、白抜き数字は順位) 第2ステージ10節を終了しての年間順位は14新潟2715甲府2716名古屋2017湘南1918福岡16。残り7試合で名古屋は新潟(10日)、福岡(10月1日)、湘南(11月3日)と直接対決がある。残留ラインとなる15位の最近5年間の平均勝ち点は36.6点で、名古屋は5勝2敗で乗り切っても、35までしか伸びず、状況は相当厳しい。92年のJリーグ発足を知る「オリジナル10」で降格を経験していないのは名古屋、鹿島、横浜の3チーム。ついに、その一角が崩れるか。

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2016年9月10日のニュース