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浅野、後半ロスタイムの“選択ミス” 悔しい初先発…目には涙

[ 2016年6月8日 05:39 ]

<キリン杯 日本・ボスニア・ヘルツェゴビナ>涙を流す浅野

キリン杯決勝 日本1―2ボスニア・ヘルツェゴビナ

(6月7日 吹田S)
 浅野の目から悔し涙があふれ出た。FWとして最も重要な局面で「選択」を誤った。1―2で迎えた後半ロスタイム。後方からのパスに反応し、ペナルティーエリア内に進入。相手GKと1対1の決定機を迎えた。だが浅野が選んだのはシュートではなく中央へのパス。そして相手DFにクリアされた。3万を超す観衆から大量のため息が吐き出された。

 「決定的なシーンでパスを選択した自分を後悔している。入っても入らなくてもシュートで終わりたかった」

 過ぎ去った時間は取り戻せない。試合後の浅野は人目もはばからず号泣。取材ゾーンでも目に涙を浮かべた。後半42分、小林祐からのループパスに反応。強烈なシュートがDFにブロックされていた。「前のプレーでDFに当てた。引っ掛かるのが今の実力。(ロスタイムは)確実な方を選んだ」。直前のプレーを引きずり、消極的になっていた。

 記念すべき国際Aマッチ初先発だった。5月27日にU―23代表のトゥーロン国際から1人早く帰国し、欧州組の合宿に合流すると、初日の夕食で手倉森U―23代表監督のものまねを披露。早速、欧州組のハートをつかむ強心臓ぶりを発揮した。3日のブルガリア戦ではハリルホジッチ監督の指示に背いてまで、自ら獲得したPKを決める積極性を見せた。だがこの日、見せたのは“別の顔”。ホロ苦い90分となった。

 既にドイツ1部アウクスブルクが今夏の獲得に動いており、この日も関係者が視察していた。この試合が移籍に影響するか?との問いには「そこは分かりません」。ハリルホジッチ監督からは「浅野の決定機は絶対に決めないといけない」という厳しい言葉も受けた。華々しい活躍のブルガリア戦から一転、涙に暮れたジャガー。「危機感しかありません」。悔し涙は拭い、試練に立ち向かうしかない。

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