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ハリル監督、自虐「FKとCKで得点できないことに関しては世界一」

[ 2015年9月4日 06:45 ]

<日本・カンボジア>前半、本田(4)らイレブンに指示を出すハリルホジッチ監督

W杯アジア2次予選E組 日本3―0カンボジア

(9月3日 埼玉)
 日本代表はW杯アジア2次予選カンボジア戦に3―0で勝利したが、バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は決定力不足に対する不満を隠さなかった。34本のシュートを放ちながら枠外が多く、課題に掲げるセットプレーからのゴールもなし。中4日で迎えるアフガニスタン戦(8日、テヘラン)に向けてフィニッシュの精度を改善する意気込みを示した。
【試合結果 W杯アジア2次予選順位表 日本代表メンバー】

 言葉の端々から不満がにじみ出た。試合後の公式会見。ハリルホジッチ監督は開口一番「勝利を要求して勝利した。選手におめでとうと言いたい」と前向きな言葉を口にしたが、その後はマイナス要素を含んだ発言を連発。6月11日のイラク戦以来5試合ぶりの勝利に安どしたこともあり「3点しか取れなかったことには満足していない。FKも改善しないといけないし、PKもなかった。FKとCKで得点できないことに関しては世界一」と自虐的に笑った。

 FIFAランク180位の格下を相手に完全にボールを支配した。シュート数34対1と圧倒しながら、得点はミドル弾2発と混戦からのこぼれ球を押し込んだ計3ゴールだけ。指揮官は後半10分からトップ下の香川と左MFの武藤の位置を入れ替えて2トップ気味にするなど試行錯誤したが、フィニッシュ精度を欠き、今予選でシンガポールがカンボジアから奪った4―0のスコアを超えることもできなかった。

 試合前に読書をするのが、指揮官のルーティン。高揚する選手の前で、あえて本を開くことでチームを落ち着かせる狙いがあるが「選手はホームで勝たないといけないプレッシャーを感じていた」と効果はなかった。セットプレー確認のミーティングでは通常パワーポイントにキッカーの名前を書き込むが「そういうシチュエーションがないから書く必要がないだろう」と空白で進行。選手を発奮させるためのパフォーマンスだったが、この試合で獲得した直接FKはわずか1本で、CK12本も不発に終わった。

 それでも国内最終戦で最低限の結果を出し、シュート23本でスコアレスドローに終わった6月16日のシンガポール戦の悪夢を払しょく。指揮官は「かなりの回数センタリングを上げたが、しっかりとポジションが取れていなかった。どの分野を伸ばさないといけないか完全に把握している。アフガニスタン戦でも勝利だけを要求する。理想はまだまだ遠いが、勝利のスパイラルをつくりたい」と前を向いた。次戦は中4日、敵地に乗り込みアフガニスタンと対戦する。決定力不足の課題は引きずったままだが、公式大会で初勝利を挙げて危機的状況は脱した。

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