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連覇へ暗雲…安藤が骨折、初戦以降の予備メンバー招集は不可能

[ 2015年6月11日 05:30 ]

初戦のスイス戦で相手GKと交錯した安藤

 日本協会は9日(日本時間10日)、なでしこジャパンのMF安藤梢(32=フランクフルト)が左足腓(ひ)骨外果骨折のためチームを離脱すると発表した。8日(同9日)のW杯初戦スイス戦で相手と接触した際に負傷し、途中交代していた。所属クラブによると手術が必要といい、近日中に帰国する予定。白星発進に貢献したベテランアタッカー抜きで連覇を目指すことになり、12日(同13日)のカメルーン戦へ攻撃陣の立て直しが急務となった。

 初戦を終えたなでしこに衝撃が走った。練習を終えた佐々木監督が安藤の負傷について「スイス戦で勝ち点3の原動力になった安藤は重傷だった。今回チームを離脱してケガを治す方向になった」と説明。試合後にバンクーバー市内の病院で左足腓骨外果骨折と診断され、負傷箇所の腫れが引いてから、帰国して治療に当たるという。

 初戦の白星を置き土産に、円熟アタッカーが大舞台を去る。8日のスイス戦、エース大儀見と2トップを組んだ安藤は前半27分にスルーパスに反応した際にGKと交錯。着地した瞬間に軸足をひねり、ピッチを退いた。魂のこもった飛び出しがなければ、宮間のPK弾はなかった。指揮官は「持ち前のアグレッシブなチャレンジで(勝利の)原動力になったことを感謝する」と敬意を表した。

 9日朝は宿舎で澤の200試合、宮間の150試合出場をサプライズで祝ったというが、「(安藤)梢ちゃんはみんなの前では明るかった。笑顔を見せていた」と鮫島。ベテランらしい振る舞いを見せ、チームの動揺を抑えていたという。

 ただ、連覇に暗雲が漂ったのは確かだ。126試合のキャップ数を誇る安藤は11年ドイツ大会全6試合に先発し、優勝に貢献。「動きだしのタイミングが合う」と話す大儀見との息も合っていただけに、前線の布陣の再編成を余儀なくされることになった。スイス戦で途中出場した菅沢はポストプレーヤーで、大儀見とポジションが重なることがあった。次戦は菅沢を2トップの一角に置くか、大野を右MFから配置転換するか、もしくは大儀見の1トップも考えられる。いずれにせよ規定では初戦以降はメンバーの追加は不可能。わずか中3日で対応を求められることになる。

 安藤は今季、フランクフルトで欧州CL制覇を達成した。「全ての経験をW杯の連覇のために注ぎたい」と集大成を誓っていた32歳。体を張ってPKを獲得した代償はあまりに大きい。

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