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本田 VシミュレーションOK!アジア杯連覇へ“心技体”整える

[ 2015年1月9日 05:30 ]

アジアカップを掲げるかのようにウォンバットの赤ちゃんを持ちあげる本田(左はコアラ)

 9日開幕のアジア杯に出場する日本代表は8日、セスノックでの事前合宿を打ち上げた。練習前に地元関係者から催された激励式では、FW本田圭佑(28=ACミラン)が大会マスコットで開催地を代表する動物ウォンバットを優勝杯のように両手で掲げるパフォーマンス。連覇に向けて本物のカップを手にする準備も整えた。チームは同日午後、12日の初戦パレスチナ戦の舞台となるニューカッスルに入った。

 本田の姿はさながら優勝シーンのようだった。セスノック市長らが出席した練習前の激励セレモニー。最後に地元を代表する動物のコアラ、カンガルー、ウォンバットが関係者によってピッチに連れてこられた。本田は突然、ウォンバットを手渡されたが、機転を利かせてまるで優勝杯のように高々と掲げた。チームメートもそれに「オー」と反応。さながら日本代表の優勝シミュレーションのようだった。

 本田は練習後、「(周りの)ムチャぶりやったんですけど。動物は癒やされますね」と笑った。ただ、次の瞬間には「あれで盛り上がって試合に勝てるならそんな楽なことはない」ときっぱり。4日後に迫ったパレスチナ戦へすぐに切り替えた。

 カップを掲げる予行演習だけではない。自身の優勝シミュレーションも盤石だ。惨敗した昨年のW杯以来となる公式戦のアジア杯。同じ轍(てつ)は踏まない。W杯ではコンディションを上げきれなかったが、今回は「6試合全部最高のパフォーマンスを続けるのが目標」と語った。7日の練習後にドクターと、この日の練習後には右足首を押さえながらトレーナーと真剣な表情で話す姿が見られ持病でもある右足首の状態が万全でない可能性もある。それでも初戦に向け「時間がある。まだ100%である必要はない」と言い切った。

 体だけでなく心も整える。W杯では1次リーグは比較的恵まれたグループとの見方があった中で、屈辱にまみれた。取材ゾーンでは中国テレビ局のインタビューにも応じ「相手は打倒日本でぶつかってくる。全てのチームが強敵。開催国はアジアのベストチームの一つ。韓国、イラクも強い」と予想し、何度も「油断は最大の敵だ」とチーム、そして自らに言い聞かせるように語った。

 今季は代表と同じ右FWでプレーするACミランで決定力の高さを証明している。今大会の公式球はセリエAでも使用されるナイキ社製。W杯で使用されたアディダス社製よりブレ幅が広いようで、ブレ球を得意とする本田には大きなアドバンテージ。FK弾のイメージも浮かびやすい。持ち前のテクニックも存分に発揮できそうだ。

 心技体がそろってこそ連覇が見えてくる。初戦の舞台、ニューカッスルはサーフィンのメッカ。パレスチナを撃破して波に乗り、1月31日の決勝で今度は優勝杯を空高く掲げるつもりだ。

 ▽ウォンバット 有袋類を指すカンガルー目ウォンバット科の哺乳類の総称。オーストラリアの一部に棲息し、名前の由来は、「平たい鼻」を意味するオーストラリアの先住民族アボリジニの言葉。夜行性の草食動物で、今大会のマスコットにもなっている。

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