×

アギーレ監督 感情豊かに「劇場型」采配でアゲアゲムード演出

[ 2015年1月9日 05:30 ]

大きなジェスチャーで選手を鼓舞するアギーレ監督

日本代表オーストラリア合宿

(1月8日 セスノック)
 誰よりも声を出していた。大きなジェスチャーを交えて、日本代表のアギーレ監督が選手にハッパを掛け続けた。ゴール前を5対2の状況にしたクロスからのシュート練習。指揮官はセンタリングミスした植田に対して、顔を赤らめて「ミエルダ!(クソを意味するスペイン語)」と怒鳴りつけた。絶妙のクロスを胸で押し込もうとした柴崎には頭を突き出すアクションでヘッドを要求。7対7のゲームでは好機でシュートを打たなかった香川の背中を右手でバシッと叩いた。

 約2時間の練習中は「バー」など意味不明の雄叫びを連発。怒号だけではなく、良いプレーは「ブラボ!」と親指を突き立てて称えた。日本語習得にも積極的で数字を数えようと試みて「イチ、ニ、サン、ゴ…」と4を抜かす間違いを連発。昌子は「何回言っても4を飛ばずので“もうええわっ”てなりました」と苦笑いした。香川は「ラテンのノリで明るい。求める時は厳しいし、モチベーションは上がる。練習のリズムも良いので、集中してシビアなトレーニングができている」と充実の表情を見せた。

 喜怒哀楽を前面に出して雰囲気を盛り上げるのがアギーレ流。ミーティングでも通訳が訳し終える前に矢継ぎ早に次の言葉を続けて重要性を伝えている。長谷部は「(日本代表前監督の)ザッケローニさんとは対照的に感情を表に出すタイプ。試合へのモチベーションの持っていき方は新鮮ですね」と語った。現時点で、選手にはおおむね好意的に捉えられている“激情型采配”。八百長疑惑でスペイン検察当局に告発されている事実をみじんも感じさせないアゲアゲムードで、連覇へのタクトを振る。

続きを表示

2015年1月9日のニュース