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香川、トップ下及第点 指揮官「10番でプレーするチャンス残す」

[ 2014年7月31日 05:30 ]

<マンチェスター・ユナイテッドVSインテル・ミラノ>ユニホームを引っ張られながらドリブルで突破する香川(右)

ギネス杯・A組 マンチェスターU0-0 PK5-3インテル・ミラノ

(7月29日 ワシントンDC)
 米国遠征中のマンチェスターUは29日(日本時間30日)、親善大会ギネス杯でインテル・ミラノと対戦し、0―0のままPK戦の末に勝利した。ボランチ起用の続く日本代表FW香川真司(25)は後半開始から出場し、今季初めてトップ下でプレー。存在感を発揮し、ルイス・ファンハール監督(62)の評価を高めた。日本代表DF長友佑都(27)は後半18分から出場。ビッグクラブ同士の日本人対決が実現した。

 笑顔が香川の充実ぶりを物語っていた。PK戦を制した直後、長友の姿を確認して握手を交わす。長友はユニホームを脱ごうとしたが、香川が既に他の選手とユニホーム交換をしていたことに気付くと、2人は目を合わせて大爆笑。W杯ブラジル大会では左サイドのコンビを組み、ともに4年後のロシアへ再出発した。香川は「そんなにサッカーのことは深く話せなかった。また次回にね」と語ったが、注目の対決で自信を取り戻した。

 トップ下で水を得た魚になった。スペイン代表マタに代わって後半開始から出場。最前線から中盤の底まで顔を出し、長短織り交ぜたパスでリズムを生みだした。「全てを意識しながらやった」と1プレー1プレーに全神経を注いだ。29分にはゴール前でこぼれ球に反応。シュートを放つ体勢に入りながら、DFに阻まれた。「決めたかった」と悔しがったが、それでも、4人目のキッカーを務めたPK戦は右隅を冷静に射抜いて、今季“初ゴール”。直後に相手がPKを外し、勝利を呼び込んだ。

 味方との連動でゴールに迫る香川の動きに、戦力を再編中のファンハール監督もうなった。23日のロサンゼルス戦、26日のローマ戦と不慣れなボランチで起用した。指揮官は「香川はドルトムントでは10番でプレーしていたが、我々のシステムでは6、8番(ボランチ)で使いたい。最初の2試合でそれを試した」と説明。しかし、この日は「彼に10番でもプレーするチャンスを残したい。そこでプレーしたがっているから。2試合よりもはるかにいいプレーをした」と及第点を与えた。地元紙に放出候補と報じられる香川だが、本職でアピールに成功した。

 香川は「“やっと自分のポジションでプレーできるね”と(監督に)言われた」という。好パフォーマンスを披露した選手にチャンスを与えられるのが新体制のマンチェスターU。8月2日のRマドリード戦でさらなる信頼を勝ち取るつもりだ。

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2014年7月31日のニュース