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ザックジャパン W杯コロンビア戦は“究極アウェー”の危機

[ 2013年12月9日 05:30 ]

W杯抽選会を終え成田空港に到着したザッケローニ監督

 W杯ブラジル大会で日本代表の1次リーグ第3戦コロンビア戦が「究極のアウェー」となる可能性が高まった。W杯抽選会を終えた日本代表スタッフは7日(日本時間8日)、会場3都市で真っ先にクイアバを視察。コロンビアと環境が似通うサバンナ気候で、ブラジルと国境を接するコロンビアから熱狂的サポーターの大量観戦も確実だ。1次リーグ突破を最終戦まで持ち越した場合、日本は過酷な戦いを強いられることになりそうだ。

【W杯C組日程】

 ザックジャパンにとって未知のクイアバはやはり“難敵”だった。気温や湿度を含めた風土は対戦国コロンビアと同じサバンナ気候。抽選後に日本代表のスタッフが迅速に視察に訪れた中、現地情報に詳しいFIFA関係者は「コロンビアに近い感じ。試合では相手の方が(環境に)慣れている」と証言し、日本にとっては困難な状況になるとの見通しを示した。

 アウェー要素(1) クイアバの6月は乾期。平均最高気温31度、同最低気温18度と寒暖差が激しい。初戦のレシフェ、第2戦のナタルは海岸沿いで高温多湿だが、空気が乾燥したタイプの異なる暑さでコロンビアに近い。

 アウェー要素(2) 大陸の真ん中に位置するクイアバは140万人とも言われる日系人が在住する親日派のブラジルにあって日系人が数少ないことで知られる異色の地域。

 アウェー要素(3) コロンビアのサポーターは南米でも熱狂的なことで知られる。1次リーグ敗退で酷評された94年W杯米国大会ではオウンゴールを記録したDFエスコバルが帰国後に射殺される悲劇が発生。熱しやすいファンが隣国から大量に観戦に訪れるのは確実。

 ザックジャパンといえば10年9月の発足後、これまで11敗を喫しているが、8敗までがアウェーを含めた国外が舞台。最近は内弁慶の克服を最大のテーマに強化に取り組んできたが、10月の欧州遠征はW杯に出場しないセルビアとベラルーシにさえ連敗した。W杯1次リーグ第3戦という大舞台で究極のアウェーを乗り切ることができるか。

 クイアバ入りした日本代表スタッフは今後、宿泊を予定している施設も回り、日本人シェフの帯同を含めて選手がより快適な生活を送れるよう環境整備を話し合う予定。ザッケローニ監督が目指す“スタートダッシュ”が決まれば第3戦の負担は軽減するものの、思い通りにいかなければ明暗を分ける大一番となる。万全の対策が求められる。

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2013年12月9日のニュース