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決勝T進出決定のなでしこ・佐々木監督に中国食指

[ 2012年7月30日 06:00 ]

複数クラブが獲得に動いている佐々木監督

 金メダルを目指すサッカー女子日本代表なでしこジャパンの佐々木則夫監督(54)が、女子中国代表の監督候補に挙がっていることが分かった。中国サッカー協会が11年W杯を制した佐々木監督の手腕を高く評価し、女子サッカー復権に向けて白羽の矢を立てたという。なお、なでしこジャパンは28日にスウェーデンと0―0で引き分けたが、他の組の結果により31日の1次リーグ第3戦の南アフリカ戦を前に、準々決勝進出が決定した。

 世界一監督はやはり、引く手あまただった。昨夏のW杯を制したなでしこジャパンはロンドン五輪でも順当に8強入り。佐々木監督は「メダルにワンステップ近づいた。ここからが本当の勝負」とあらためて悲願の金メダル獲得に向けての思いを語った。今年1月にFIFA女子最優秀監督に選ばれた指揮官をめぐっては、既に激しい争奪戦が勃発していた。関係者によると、海外の複数の代表、クラブが獲得に向けて動いており、その中には女子中国代表も含まれているという。

 中国国内ではサッカーに限らず、育成にたけた日本人指導者への評価は高い。最近では、前日本代表監督の岡田武史氏が今季、中国1部の杭州緑城の指揮官に就任。スタートこそつまずいたが徐々に結果を出し、評価は上昇している。シンクロナイズドスイミングでは、五輪6大会で日本に8個のメダルをもたらした井村雅代コーチが、08年北京五輪前に中国代表のコーチに就任し世界のトップへと押し上げている。中国サッカー協会が佐々木監督に期待をかけても何ら不思議ではない。

 中国はかつて、女子サッカーでは世界屈指の強豪国だった。アジア杯は86年から7連覇。正式種目となったアトランタ五輪でも銀メダルを獲得している。だが、最近はアジアの主役の座を日本に奪われ、11年W杯、ロンドン五輪ではともにアジア予選で敗退。FIFAランクも03年の4位から下降線をたどり、現在は13位と低迷している。アジアの盟主奪回に向け、名将の佐々木監督に白羽の矢を立てた形だ。佐々木監督はロンドン五輪に関し「4年間の集大成とする」と語っており、大会後は勇退する可能性が高いとみられている。名将の国外流出危機。指揮官の動向から目が離せなくなってきた。

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2012年7月30日のニュース