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女子高生が新なでしこに選出!京川舞 沢に弟子入り志願

[ 2012年2月21日 06:00 ]

ピースサインでなでしこジャパンに選出の喜びを表現する京川

 日本サッカー協会は20日、今月29日に開幕する国際親善大会・アルガルベ杯(ポルトガル)に出場する、なでしこジャパンのメンバー21人を発表した。11年の斉藤あかね依頼の

【メンバー 日程】

 昨年秋の五輪アジア予選から新たに5人が加わり、U―20日本代表で、今季からINAC神戸に加入するFW京川舞(18=宮城・常盤木学園高3年)も初招集された。昨年のU―19アジア選手権で得点王とMVPに輝く新戦力は、若さを武器にロンドン五輪代表の座に名乗りを上げた。

 今どきの女子高生らしく、和やかなランチタイムに吉報が舞い込んだ。正午すぎ、仙台市にある常盤木学園高校の寮の食堂。サッカー部の仲間7人と昼食を楽しんでいた京川の携帯電話が鳴った。「選ばれたぞ!」。電話越しにサッカー部の阿部由晴監督が叫んでいる。マ・ジ・で???驚きのあまり、食べかけのハンバーグが喉につまりかけた。

 午後4時には急きょ学校で会見が設定された。合格通知を受け取って4時間が経過しても興奮は収まらない。「50%ぐらいの確率で選ばれるかなと思っていた。でも、食事中は(メンバー発表を)考えていなかったので、ビックリしました」と本音を漏らした。

 世代別のカテゴリーが整備されていなかった1980~90年代には15歳以下の選出も珍しくなく、MF沢穂希(当時読売)も93年に15歳91日で代表デビューを果たしている。日本が世界レベルに達したなか、昨年、16歳で招集されたMF斉藤あかね(浦和)以来の高校生での代表入り。2月中旬の和歌山合同合宿や19日のINAC神戸との慈善試合などでのアピールが佐々木則夫監督(53)の目に留まった。会見で指揮官は「(和歌山などで)何よりも失敗を怖がらずに仕掛けていた。あの年代の中では攻守にアグレッシブにかかわることのできる。先輩を食えるものなら食ってほしい」と評価した。

 これまでは、主将としてチームをけん引するMF沢穂希の姿に目を奪われてきた。「いつか日本代表として沢さんと同じピッチに立ちたい」。練習の合間には沢に関する著書を読みあさり、心には「夢はみるものじゃなく叶(かな)えるもの」という沢の言葉を刻み込んでいる。その言葉の通り、ポルトガルの地で夢を叶えるチャンスが巡ってきた。既にINAC神戸の一員として練習などにも参加。沢とも接する機会はあるが「聞いてみたいことがいっぱいある。部屋に行っても怒られないですかね」と代表でも、沢から全てを吸収する覚悟を吐露。さらには「ポジションを奪ってやろうという気持ちはある。1点は決めたい」と世界を制した先輩にも挑戦状を叩きつけた。

 モットーは失敗を恐れずに挑戦し続けること。「何かを起こすためにはチャレンジするしかない。五輪はずっと夢。ここからが勝負です」。シンデレラガールは夢を叶えるための階段を駆け上がろうとしている。

 ◆京川 舞(きょうかわ・まい)

 ☆生まれ 1993年(平5)12月28日、茨城県小美玉市生まれの18歳。

 ☆サイズ 1メートル61、52キロ。

 ☆経歴 堅倉小2年から堅倉スポーツ少年団でサッカーを始める。美野里中時代はKASHIMAレディースSCに所属し、常盤木学園高に進学。

 ☆代表歴 10年のU―17W杯の準優勝メンバー。昨年のU―19アジア選手権では得点王とMVPの2冠に輝き、優勝に大きく貢献。

 ☆なでしこリーグ 今季からINAC神戸に加入。昨季は常盤木学園のエースとして、なでしこチャレンジリーグEASTの得点王(24点)。

 ☆憧れの選手 女子はINAC神戸のMF川澄奈穂美で、男子は日本代表のFW岡崎慎司(シュツットガルト)。泥臭くゴールを狙うスタイルに感銘を受けた。

 ◇アルガルベ杯 ポルトガル南部のアルガルベ地方で開催される女子サッカーの国際大会。主催者による招待で出場国が決まる。FIFA(国際サッカー連盟)公認ではないが、女子の国際大会としてはW杯、五輪に次ぐ大会として位置づけられている。94年が第1回大会で今年が第19回。米国の8回が最多優勝。日本は昨年が初出場でいきなり3位となった。

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