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メッシ 今季5度目ハットも…リーガ2強支配の問題点

[ 2012年2月21日 06:00 ]

バレンシア戦で4得点を決めたバルセロナのメッシ(上)

リーガ・エスパニョーラ バルセロナ5-1バレンシア

(2月19日)
 リーガ・エスパニョーラ2位のバルセロナが19日、3位バレンシアとの上位対決に5―1で圧勝した。FWリオネル・メッシ(24)が4得点で逆転勝利に貢献した。首位レアル・マドリードとは勝ち点10差と4連覇が厳しい状況だが、3位以下とは実力差が歴然。名門2強が7季連続で優勝を独占してきたリーグの問題点に迫った。
【順位表】

 バルセロナは開始9分で先制されたが、メッシが前半22分と27分に得点してあっさり逆転。止まらないエースは後半も2点を加え、リーグ200戦目を自身2度目の1試合4得点で飾った。

 「重要なのはチームが勝つこと」と冷静だったのは大量得点に慣れたためか。1試合3得点以上はリーグ戦だけで今季5度目。23戦27得点の驚異的ペースだが、得点王争い首位C・ロナウド(レアル・マドリード)は6度のハットトリックなど28得点を挙げる。際立つ両エースの得点力。しかし、チーム力が反映された結果と考えれば、2強の実力が突出したリーガの問題点が透けてくる。

 04~05年シーズンから優勝を分け合ってきたバルサとレアル。共通点は巨額の放送権収入だ。クラブごとの個別契約が認められる中、収入の3分の1を超えるテレビ放送権の販売で両クラブは昨季それぞれ約1億8350万ユーロ(約193億円)を稼いだ。これに次ぐバレンシアでさえ6640万ユーロ(約70億円)と差は大きく、予算規模がリーグ最低のレバンテは年間予算全体が2100万ユーロ(約22億円)止まり。収入の差は補強費や年俸などの人件費がものをいう戦力格差に反映される。

 14~15年に導入される見通しの放送権に関する新協定では2強が一部譲歩。放送権増額と引き換えに両クラブの収入が全体に占める割合は従来の50%程度から35%に減少するが、昨年9月にはセビリアのデルニド会長が2強優位の現状を「ごみの山」と批判してさらなる改革を要求した。これに対してレアルのDFセルヒオ・ラモスが「嫌なら別のリーグを探せばいい」と反論して物議を醸したが、ビジャレアルのMFセナも「レアルとバルサの優越性は残酷なほど」と漏らすなど2強支配への懸念は消えない。

 レンジャーズとセルティックが過去26季連続で優勝を分け合う状況になぞらえ「南のスコットランド」とささやかれるスペイン。メッシとC・ロナウドがゴールラッシュを繰り返すほど、いびつな構造が浮かび上がる皮肉な事態となっている。

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